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放課後

祝10話

長い授業が終わり、ようやく放課後がきた。

カナタは教科書やノートを鞄に詰め足早に図書室に向かった。

図書室の古ぼけた扉を開けカウンターを覗く。

(いない…。)

お目当てのアヤ先輩の姿はまだなくカナタは肩を落とした。

しかし、例え好意のある先輩がいなくとも活動は休みにはならない。

カナタはカウンターの席に腰掛け返却ボックスの本の返却作業を始めた。

(アヤ先輩…まだかなぁ。)

自分以外誰もいない図書室は、時間が経つのはとてもゆっくりに感じた。

そのうち返却ボックスの本も無くなり、やる事がひとつも無くなった。

何もやる事がなくなった以上ボーっと人が来るのを待つだけだ。

カウンターには突っ伏して時計の針を眺める。

ガタッ

ドアが開く音にカナタは少し驚き姿勢を正した。

(アヤ先輩かな。)

そっとドアの方を覗くとそこには顧問の渡辺先生がいた。

「お、カナタがいたか。一人で御苦労さん。」

渡辺先生はこちらに気付くとくしゃっとした笑顔を見せた。

「すまんが今日アヤ体調不良で早退しちゃったんだが。カナタこのまま一人で大丈夫か。」

「アヤ先輩、どうかしたんですか?」

「さぁ、体調不良としか聞いてないからな」

「そうですか…」

カナタはがっくりしながら椅子に座り直した。

「なんだ、先輩がいないと不安か?なぁに大丈夫だよ。お前ならなんとか出来る。」

渡辺先生は笑顔で謎の自信を語り出した。

「ま、何かあったら呼んでくれ。先生職員室にいるから。」

そういうと渡辺先生は図書室を後にした。

まるで嵐が過ぎ去った後の様だ。

図書室はより一層静かになった。

その後は何事も無く帰宅時間となった。

カナタはフラフラと帰り道を辿っていた。

川沿いに行けば家。

しかしカナタの頭の中で変な考えが浮かんだ。

(こっちの道に行ったらどうなるんだろ。)

カナタはなんの考えも無く、気付けば川沿いの道から外れて知らない路地を歩いていた。

身を任せ歩いていくと鼻の奥を刺す様な何が燃えている様な匂いがした。

ふと横を見ると周りが開けた公園があった。

簡易的な滑り台とブランコ、そしてベンチ。

ベンチには一人座っておりまさに匂いの発生源はそこであった。

タバコだ、その人は自分の家のソファーに座るかの様に深く腰掛け腕を背もたれに置いている。

西日が眩しかったが徐々にその姿がよく見えてきた。

(白い。)

その人を見てまずその言葉が浮かんだ。

透き通る様な白い肌に髪、その上白衣ときたものだ。

完全に白一色で染まっていた。

こんなまだ日も沈まりきらない時間帯にそんな格好で一人公園でタバコを吸うのはまさに不審者。

カナタはすぐその場を離れようと歩き出したその時。

「おい、そこの」

後ろで声がした。

見なくともわかるさっきの不審者が声をかけてきたんだ。

カナタは逃げ様にも足がすくんで動かない。

ゆっくり、後ろを振り返ると不審者はどんどん近づいてきていた。

そして、不審者はカナタの目の前で立ち止まった。

離れて見ていた時は少し背が高いのが想像できたが、こんな至近距離で見るとより高くカナタの身長をゆうにこえていた。

(怖い…逃げたい。)

しかし初めて顔がハッキリ見えてわかった。

(あれ、この人)

「私は黒木カヤ、カウンセラーだ。好きな言葉は『医者の不養生』よろしく。」



カナタ目線です。

カヤはカウンターって名乗っただけです。

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