EP34 総力戦 2
ワイバーンの駆除が急務になりそうである。共食い(?)するとかどうなんスかドラゴンさんや。
ワイバーンは万を超える数が居る。全部殲滅するのは難しいだろう。時間をかければ殲滅出来るだろうが。
一撃で超火力を叩き込まねばすぐ回復してしまう。ただでさえリジェネがあいつには掛かっているのにさらに回復されちゃたまらん。
しかし、俺にはそこまでの大火力を出せるようなアイテムが無い。
...そういえば、カイには大槌を渡したな。あれで大火力をたたき込めるはずだ。
「カイ!前に渡した大槌で思いっきり逆鱗を叩け!」
「逆鱗何処だよ!?」
「ここだよ!」
レーザー砲を逆鱗に放ち、逆鱗の位置を知らせる。
ドラゴンの聞き慣れた悲鳴が辺りに撒き散らされる中、カイがスチームパンクなメカメカしいハンマーを持って着弾部に接近する。
「武具巨大化!」
ハンマーがカイのスキル...らしきなんかにより巨大化した後、変形し、俺のスラスターと同じようなノズルが出現し、炎を吹く。
加速されたハンマーは恐ろしい速さで逆鱗に衝突し、ドラゴンの体が後ろに仰け反る。
その時に発生した衝撃波はかなり遠くから離れた場所にも伝わり、フレンドリーファイアが起こりかけた。
幸い、騎士団、軍団両陣営のメンバーは優秀だった為、後衛が即座に結界を張ってフレンドリーファイアは起こらなかった。結界は一瞬で割れたが。
衝撃波は空にも伝わり、ワイバーンが数十匹、衝撃波で墜落していた。取り巻きのドラゴンは体勢を崩しただけで墜落はしなかった。
俺はその体勢を崩した瞬間を狙い、レーザーで翼を狙って撃墜する。
翼に穴を開けたドラゴンが巨大ドラゴンに向かって墜ちる。巨大ドラゴンはまだ逃げれるような体なので、逆鱗に砲弾とレーザーを撃つ。
胸部(かと思われる部位)に走る激痛で動けなくなったドラゴンに取り巻きのドラゴンが衝突する。取り巻きの方は顔面から衝突。巨大ドラゴンの方は翼の根っこに大きな傷を負っている。HPゲージは2割と少し減った。
「ナイス!」
「そりゃどーも!」
取り巻きのドラゴンの死亡確認をとる為、ドラゴン二体に接近する。
取り巻きの方はよく分からない。黒い塵でモザイクがかかっている。しかし、唯一わかるのは奴の頭は完全にもげていることだ。
なんというか...見るも無惨な姿だ。ほんとに。このゲームの自主規制は優秀だからグロいとは感じないが。
おっと、ドン引きしてる暇はない。早くしないともげかけた翼が再生してしまう。
ミサイルを打ち込み、傷をより広げる。
命中した。翼と鱗が吹き飛び、HPゲージが残り4割になる。
翼を失ったことで、奴は飛べなくなった。やったぜ。
翼の切り口に砲弾とレーザーとミサイルを撃ち込む。
「ついでのカイもよろしく!」
「またやんの?」
「またやるぞ!」
カイを断面に投げ飛ばし、ロングソードを持って断面に突き刺す。
「ラピッドスラッシュ!」
剣を動かし、更に傷口を抉る。
「えっ!?」
なんと、傷口から炎が噴き出した。...チョットナニイッテルカワカラナイ。
炎が翼の形に変形すると、炎は消えて翼が再生されていた。
恐るべき再生能力だ。
HPゲージは変わらずだが、俺らが狩ったワイバーンの死体を食って体力を7割まで回復させる。
ドラゴンが俺たちと距離をとり、口を開ける。ブレス攻撃だ。
だが、顔が向いている方向は全然違う方向だ。どうした?
「防御陣形を組め!」
副団長が叫ぶ。
ドラゴンはブレスでなぎ払い攻撃を仕掛けてきた。
俺は盾を斜めに構え、攻撃を受け流す。
他のパーティメンバーも何とか受け止めたようだが、連隊の方は全滅だ。トップの連中はギリギリ生き残ったようだが。
距離を取ったドラゴンにレーザー砲を撃つ。狙いは逆鱗。
キィン
ドラゴンの身体から噴き出す炎が逆鱗の辺りまで伸び、レーザーを防いだ。炎が金属のような音を出すとはどういうことだ。
何発かミサイルや砲弾を撃ち込んではみたが、全部炎で弾かれた。遠距離攻撃はもう効かないだろう。
インベントリにツッコんであるロングソード数本に炎水晶を取り付け、フレイムエクスプロージョンを付与する。
パイルバンカーと盾を装備し、最高速度で突撃する。
炎が俺の目の前まで伸びて防ごうとするが、炎は一瞬で砕け、逆鱗に俺が突き刺さる。逆鱗にはヒビが走る。
インベントリからさっきの剣を取り出し、ヒビの隙間に突き刺す。深々と。剣身が全て見えなくなるまで。
俺はこいつの背中に移動し、剣を起爆する。
ドォン
HPゲージは残り半分を切った。タフなやつだ。首ほとんど取れかかってるのにまだ生きてるとは。
ワイバーンがあいつの口の中に突っ込み、食われる。
首が再生し、体力もちょうど半分の辺りまで回復する。
全く、再生能力の高いドラゴンである。
作戦を考え直すべきだろうか。
翼を攻撃して、目を攻撃して、四肢を失わせれば確実に討伐できるだろう。
でも、取り巻きのドラゴンがなぁ...
...とかなんとか考えてると、ドラゴンが空に浮かび、そいつを中心にした八角形の角に取り巻きが移動する。あのでかい魔術(っぽい何か)を放つ気だろう。
だが、その狙いは、俺たちの方じゃない。
街だ。
「街に結界を張れ!」
「魔力足んないわよ!?」
「ポーションがぶ飲みしろ!インベントリ開け!」
インベントリ用の穴にポーションを20個程投げ込む。投擲スキルの補正により、全て穴に入っていった。
メイは早速ポーションを飲み、結界や壁を張る。
「『水の壁』『火の壁』『土の壁』『風の壁』眼前の脅威から我らを守れ。『フォースアトリビュートウォール』」
続いて、副団長も結界を張る。
「『光の壁』『神の壁』『光の城塞』『神の城塞』猫様は我らが守ります。猫様万歳。『レインフォースドディバインフォートレス』」
巨大な結界が二枚張られる。
俺も街を守る為、二つの結界の後ろでで盾を構え、結界を張る。
全ての結界は斜めに展開され、受け止めると言うより、受け流すという風にして街を守りやすくしている。
「武具巨大化」
カイのスキルだろうか。俺の盾が巨大化する。その分、かなり重たくなっているが、身体強化で持ち上げる。
ゴォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオ
ドラゴンの超絶極太ブレスが放たれる。
一枚目のメイの結界。
パリィン
四、五秒程耐えたが、すぐ割れた。
二枚目の副団長の結界。
パリィン
20秒程耐えた。
三枚目の俺の結界。
パリィン
30秒程耐えたが、結局は割られる。
四枚目(?)の俺の盾。
「...ぐっ」
熱気がすごい。恐ろしく熱い。
盾を持ってる手に恐ろしく大きい負荷が掛かっているのがわかる。
「〜っ!!」
踏ん張り続けること十秒。ようやくブレスが途絶えた。
ドラゴンの炎が噴き出ていた箇所から蒸気がフシューと出ている。
もう一度魔法陣が展開され、ドラゴンが口を開ける。オイ、マジかよ。




