EP28 アウトロー
いつもの二分の一位の長さ。
《称号を獲得しました》
「クソがあああああああああああ」
平原のど真ん中で俺はそう叫んだ。
なんなんだあいつは。ミサイルぶっ放すわレーザー撃ってくるわ杭が生えてるわで色々このゲームにあってはならないような武器を持ってたぞ。
なんだ。チートか?このゲームは利用規約でこの世界の者から技術供与を受けない限り現実の技術を使えない事になっている。だからああいう武器は使えないはずだし、作れないはずだ。
それなのに、あいつは当たり前のように使ってくる。
...それよりも称号とはなんだ?
称号
【負け犬】
死ね。
運営にまで煽られる筋合いは無い。地面に足を何度も強く叩きつける。地面にヒビが走って、余計に歩きにくくなる。なんでこんな脆いんだこの地面は。運営は何をしている。
誰が負け犬だ。確かに負けたは負けたが誰が負け犬とか言うなクソが。いつかあの女に復讐して、運営を訴えてやる。
...だが、今はあいつに勝てそうも無い。今はレベル上げや資金調達をすべきだ。
金がだいぶすっ飛んだが、また適当な馬車を襲えば稼げるだろう。
近くに街道が通っているので、そこで待ち伏せすることにした。あいつみたいなやつがいなければ大丈夫だろう。
三時間が過ぎた。時刻はもう黄昏時である。
そこを一台の馬車が通る。襲うのにぴったりな馬車である。
しかも、ここで野営を始めた。ナイスタイミング!
両手に手斧を持ち、傭兵らしき女に後ろから近づき、首を撥ねる。
《レベルが上昇しました》
ズサッ
声を上げることもなく女は死んだ。近くにいた他の傭兵も同様に首を斬り、血を吹き出しながら倒れる。
《レベルが上昇しました》
《レベルが上昇しました》
《進化の条件を満たしました》
条件を満たしたとはなんだ?俺の種族はただのヒューマンを選択したが。
メニュー画面には、レベルを十消費してギルティ・ヒューマンに進化可能だと書かれていた。ヒューマンの上位種族か。
直訳で有罪の人間。要するに犯罪者だ。
人を殺したからか?これまで100を超える人間を殺してきたが。
とりあえず、進化は後回しにして、色々な装備や金品を漁る。
それにしても、全員NPCで良かった。プレイヤーだったら金をぶんどることができなかった。
金が入った袋をインベントリに突っ込み、女共が持っていた武器もインベントリに突っ込む。ロングソード一本、ショートソード一本、弓矢のセットが一つ、女用の皮鎧が三つ。あと、馬車、毛布、食料と水をゲットした。あと数日は生きていけるな。プレイヤーは実は飯はいらんが何故か水だけは必要だ。
あいつはミサイルとレーザーを撃ってくるし、空も飛んでくる。だから、受けるための盾と、対空攻撃の手段が必要だ。そして、ミサイルはファイヤーウォールを使って俺の逃げ道を塞いでくる。だから、ミサイルに挟まれないように気をつける必要があり、出来るなら空中で撃ち落としたい。
そのために短弓...もしくはクロスボウが必要だろうか。
レーザーに関してはパリィでもいいが、盾で防ぐ方が疲れなくて済む。パリィはかなり集中しないと失敗しやすい。
あのバカ太い杭はどうしようか。プレイヤースキルで避けるべきだろうか。
しかし、攻撃が通らなければ意味が無い。広範囲を遠距離で攻撃するか、自分も空を飛べるようになるか...
ええい、今考えても疲れるだけだ。一旦ここまでの思考をメモし、俺はログアウトする。あいつへの怒りを抱きながら。




