EP21 クランの体制
カイに呼び出しを食らった為、広場に来ている。
「おお、来たか」
「おう、来たぞ」
今日はメイも来ている。メイはエルフを選択していた。俺と同じ道を歩むなよ、姉よ。
「じゃあ、ちょっとこっち来てくれ」
カイの先導に従って歩く。
暫く歩くと、店の前に来た。
純喫茶【神がかった飯】
無いわー...流石にこれは無いわー...
飼い犬にいぬっていう名前つけるのと同じぐらいネーミングセンス無いわー...
「大丈夫だ。飯は保証する」
入店すると、白を基調とした制服を着た店員が出迎えてくれた。
この店は席と席の間を壁で区切ってある。所謂個室ってやつかな?
注文を決める。俺はクリームソーダを、メイはカフェラテを、カイはコーヒーを注文する。
「お前のそれ飲んだらめっちゃ太りそうだな」
「余計なお世話だぞ、カイ。そもそも、ここはゲームなんだから太るとか無いだろう。あとそれ、女性に言ったらすげぇ失礼だからやめとけ」
「はいはい...それより、今回の本題に入ろう。今日集まって貰った理由は...これだ!」
少し溜めた後に、『ギルド内での階級とか役割分担とかルールとか拠点とかの会議』と書かれた紙を取り出す。
「現在、我がギルド『錬金軍隊』は、形だけで存在しているクランだ。ほとんど活動を行っていない。
だから、階級とか役割分担とかルールとかを決めたいんだ。
ちなみに、制服は軍服で決まっている」
「おいちょっと待ったなんでだ。いつ決めたそんなこと」
「軍隊ってクラン名だから軍服以外無いだろう」
「そうはならんだろ」
「なってるだろうが」
そんなやり取りを、俺の姉が冷ややかな目で見つめている。いや、こいつが事の発端なんだよ。俺は悪くない。
「役割分担ってあるけど、魔法、生産、戦闘で分けたらどうかしら。
丁度、そのスキルを取得してるメンバーが三人集合してる訳だし、私たちがそれぞれの役割のトップになったらどう?」
「「お前、天才か?」」
流石高校生。身体に関すること以外は優秀だ。
そして、注文したメニューが届いた。早速クリームソーダを飲む。
「これ、美味いな」
「そうだろう、そうだろう!」
「なんでお前が得意げなんだよ...」
店主が得意げなのはわかるけどさ。
「じゃあ、役割分担は決まったし、次は階級とルールと拠点だが、階級は大佐とか少佐みたいな感じで強さで決めて良いな?」
「マジの軍隊みたいだな。賛成」
「私も賛成」
満場一致で賛成で決まった。
「よし、次は拠点の位置を決めよう。
拠点は何時でも何処でも建てれるから、正直何処でも良い。戦闘員への補給や、水の回収が簡単な場所の方が良いとは思うが」
「そもそも、地図が無いから拠点とか決めにくいよな。測量とかして地図でも作るか?」
「良いわね、それ。やる人の気力が続くかはさておいて」
「伊能忠敬は徒歩で日本を測量したんだ。俺たちにも出来るだろ。あと、メンバー多いから人海戦術が使える」
そうか。人海戦術もあったか。
ちなみに、あの時からメンバーは増え、現在は600人を突破した。スレは三つ目を迎えた。
「拠点はまた後日決めるとして、次はルールだが...はっきり言って言うこと無くね?」
「いや、あるだろ。なんかあるだろ」
「だってさ、このゲームで何かを縛るとかするのはマナー違反だと思うんだよ。自由を謳ってるゲームだし」
「そんなの公式の説明文に書かれてあった覚えは無いが」
「とにかく、俺は『荒らしを禁止する』と『制服を着ろ』だけで良いと思う」
考えてみればそうだ。人の行動を縛ってなんになる。それだったらマナーを最低限守れで良い。
「じゃあ、それだけで決まり事良いか」
「制服の制作を頼んだ。出来ればお前のやつと同じデザインの奴」
俺、裁縫とか出来ないんだが...メンバーに出来るやつ居るかな?
この後、めっちゃケーキとかスイーツ類を食べた。すっげぇ美味しかった。
*
裁縫スキルというものがあるらしい。コレの取得方法は、裁縫をやるだけらしい。
布と糸と、裁縫セットを道具屋で買う。道具屋にしては大分品揃えが良すぎるが気にしない気にしない。
「鍛治とか錬金術とか魔術付与の次は裁縫か。頑張れ」
と、ジョーンに応援された。ヤーさんな顔してる奴に言われてもなぁ...
工房に帰って、テキトーなバッグでも作ろうかと思う。手提げ袋みたいなやつ。
メジャーで大きさとかを決め、チャコペンで印をつける。チャコペンなんて小学生以来だな。
ハサミで大きさチャコペンの印に従って切り、針で縫っていく。糸通しが無くても糸を通すのにかなり苦労した。
《新しいスキルを獲得しました》
完成した時と同時に、システムメッセージが頭の中に響く。
ステータスを確認すると、裁縫スキルがスキル一覧に追加されていた。なけなしのポイントを割り振って裁縫レベルを上げる。
試しにもう一度同じバッグを作ってみる。今度はチャコペンで印を付けずとも切る場所がわかったり、大きさがメジャーを使わずともわかるようになった。すげぇなスキル。
「あの...裁縫なら私がやりましょうか?」
幽霊一家の一人、アイラがそう言ってきた。そういえばこいつのスペックを知らないな。
「鑑定」
名前:アイラ
性別:女
種族:グレートゴースト
△特性
物理攻撃無効
魔術攻撃10%多くダメージを受ける
△基礎ステータス
lv10
体力:80
魔力:400
筋力:100
敏捷:200
防御:20
知力:200
△所持スキル
裁縫lv.50
ポルターガイストlv.10
料理lv.20
清掃lv.20
称号:無し
装備:無し
スペック高っ。レベル10って結構高いな。
「じゃあ、頼む。
デザインは、俺のこの軍服を質素にしたものを一つ。これを見本に俺がクランのメンバーに作らせる。素材は...今から買ってくる。
ちょっと待っててくれ」
カイとメイには遺跡からとってきた軍服を着せたい。メンバーと遺跡に潜るか。
「わかりました」
「ただいま」
素材をギルドから取り寄せて来た。
ウン十万とかするクイーンなんたらアラクネアとか言うやつの糸を一トン買ってきた。
鑑定スキル曰く、コイツは丈夫で魔力を通しやすくて魔術を付与すると効果が1.5倍になるとの事。
これで服を作ってもらう。
一応機織り機とか裁縫に関係しそうな道具も買ってきた。
0が2個消えたが、気にしない気にしない。手榴弾を売ればまた儲けが出る。
「機織り機とか買ってきたけど、どこ置けばいい?」
「ここにお願いします」
彼女が指定する場所に設置する。
なかなかにもデカい。
「あ、そうそう。これ、素材ね」
一トン分のアラクネアの糸をインベントリから取り出す。
「これは...随分と高価な素材を...」
「どれくらい必要なのか分かんなくって...
完成したら言ってね」
「わかりました」
俺は一旦部屋を後にする。
あの糸の特性に、魔術付与の効果を上げるというものがあった。これを活かしたい。
俺は魔術付与というスキルは持っているが、付与魔術の方は持っていない。
付与魔術は、主に武具や道具に付与するための魔術だ。魔術付与スキルは魔術を付与するだけだ。
まあ、そんな訳で付与魔術を獲得しにいく。
あのときに獲得しておけば良かった...
攻略サイトを立ち上げ、付与魔術の獲得方法を調べる。
付与魔術の獲得方法
身体魔術をlv30にし、魔術付与スキルをlv30にする事で獲得可能。付与魔術が付与された魔道具で殺されても獲得可能。しかし、極めて低確率である。
ほうほう。
ちなみに身体魔術はどうやって入手すんだ?
身体魔術の獲得方法
身体魔術が付与された魔道具で殺される事で、獲得可能。しかし、極めて低確率である。
魔力を全身に巡らせても獲得可能。全身に巡らせるには、魔力のステータスが300以上でないと不可能。
なるほど。今からでも出来るな。レベル上げをする必要がありそうだ。
遺跡でレベル上げは遺跡でしよう。ついでに、カイとメイの分の軍服を用意したい。
*
ガシャン
金属と金属がとぶつかる音を立てながら、機械が倒れる。
この機械共は余裕で倒せるようになった。
レベルはなかなか上がらない。この辺の連中が弱いからだろう。
もっと奥に進む。
ドゴッ
急に壁が崩れ、吹き飛ぶ瓦礫を縮地で避ける。
崩れた壁の向こう側には、黒く光る紫色の金属に覆われた、巨大な龍が眼球を光らせていた。
口が開き、口のなかに赤色に光る球体が現れる。そこに何かしらのエネルギーが吸い込まれるようなエフェクトが見える。龍の身体中には赤いネオンが走る。
これ、やばいやつ――
ストックの量が非常に少なくなっている為、EP22とEP23を投稿したらしばらく投稿が止まります。すみません。
2024/7/13
アイラのステータスを変更しました。




