EP19 クラン
「「「我らが神、猫様...」」」
ログインして外をぶらついていたら、なんか教会できてた。しかも猫を崇めている様だ。
...狂信的な程に猫に心酔しているようだ。しかも信者は大体がプレイヤーだ。もしやクランか?
まあ、俺は所属するつもりはあんまり無い。
「ばあ」
「ううぇあ!!??」
正面に向き直したら急に仕掛けてきたせいで、変な声がでた。ちょっとぐらい驚かしたいという衝動を抑えてくれ。
「急に何すんだよお前ぇ...」
「新しい装備着て髪伸ばしてイメチェンしてたからとりあえず。それよりさ、お前、種族何にしたんだ?俺は見ての通り猫獣人だが」
カイは猫耳やしっぽを動かして見せる。しっぽとか邪魔になんねぇのかな。
「誰にも言って欲しくないんだが...いいか?」
「い...いいぞ?なんか後ろめたい種族か?」
「イービル・エルフ」
小声で他の人に聞こえないように言うと、カイが少し首を捻る。
「うーん...魔族かぁ...敵かぁ...てか、魔族なら角が生えたり肌が黒くなったりするはずだが、なんでなってないんだ?」
「幻影魔術で肌を白く見せかけている。本当は黒い」
「そうか。大体の人族は魔族を敵対視している。外に出る時は今みたいに幻影魔術を掛けておくと良い」
「了解」
「で、話変わるけどよ、クラン作んねぇか?」
「クランに所属する気はあんま無いぞ。ソロだと気が楽だし」
「まあまあ、そう言わずに。
所属しとくとアイテムの補給とか楽だぞ。しかも、クランでのイベントもあるから、所属した方がアイテムもゲット出来る。あと、クラン全体で戦闘ができる」
「なんてクラン名にする?」
「すげぇ食いついて来るなぁ」
ゲットしたレアアイテムで面白いアイテムとかを作りたい。是非とも作りたい。何よりも強いなんかを作りたい。
「とりあえず、クラン名の候補を募る。ついでに入る人も探す。まずはこれを先にやろう。
俺は公式板で募ってくるから、お前はクランの設立を頼んだ。クラン名と詳細は追って伝える」
「了解。ていうか公式板なんてあったのか」
「メニュー画面開いて、その他から掲示板行けるぞ」
「あ、行けた。ありがとう」
「んじゃ、行ってくる」
「いってらー」
*
「こんにちはー」
ガラの悪いオッサンとギャルな魔術師の人がこちらに目を向ける。畏怖の表情をしている者もいれば、性的興奮を感じているような顔をしている者もいる。不快だ。
「軍服...すヴァらしい...」
「あれが爆殺男の娘か...軍服姿かっこかわいい」
「あの子に踏まれたい...」
「男の娘...男の娘...」
このギルドにまともな思考回路をしているやつは居ねぇのか。早急にイカれた頭をしたこいつらの修理をして頂きたい。
受付の方に向かう。
「クランを結成したい。ついでに、ここの掲示板かなんかに紙にメンバー募集中って書いて貼って宣伝をして欲しい。魔石の回収も」
「わかりました。では、この紙にクラン名の記入と、クランの詳細を書いて、少々お待ちください」
お姉さんから用紙を渡される。市役所に来た気分。
クラン名、方針、どんな人を募集するか、クランの詳細を書く欄がある。方針とどんな人を募集するかは選択肢がある。クランを探しやすくするためだろう。
クラン名...知らんな。掲示板でも見るか。
*
【募集】新クラン作ります
1:カイ
クランを作るに当たって、クランメンバーと名前を募集〜。
荒らし行為は禁止。
その他迷惑行為も禁止。
現在、予約している人↓
サキ
メイ
2:名無しの人族
加入希望
3:すり身
加入希望
4:hgnukkola
加入希望
6:gamer_touya
加入希望
7:deft_woter_mellon
加入希望
8:カナタ
加入希望
9:ダマヤ
加入希望
10:猫様に命を捧げし者
猫様聖騎士団に所属してるから加入は出来ないけど貢献はしたいからクラン名のヒント的なやつだけでも
・軍隊
・爆弾魔
・超魔術
*
500:カイ
一旦募集を締め切る。
参加者:300人
クラン名:錬金軍隊
に決定する。クラン専用スレはクラン結成後、数日後に作成する予定。
*
決まるのはっや。
っていうかメンバー多くない?
さっきクランのリスト見てて上位にあった【猫様聖騎士団】とかは500人とか頭イカれた数だったけど。
それと比べても馬鹿みたいに多いぞ。どういうことだ。
本部とか設立しなきゃならんかなぁ。
それか、新しく街を作るか。
今発見されてるのは、ここ、レンブラントシティだけだが、そのうち他の街も発見されるだろう。
街で思い出した。
俺は領主から他の領への紹介状を貰えるんだった。あとで貰いに行こう。
掲示板を見ながら、用紙にクラン名を記入し、カイにフレンドチャットを送る。
『なあ、方針、募集要項、クランの詳細って何て書けばいい?』
用紙の画像を添付して送信する。
『方針は生産と戦闘に丸をつけて。
募集要項は設定無しを選択して。
詳細は俺、サキ、メイの三人でクランマスターをやると書いてくれ』
『OK。そう書いて提出しとく』
そう返信し、受付の人に用紙を渡して、領主館に向かう。
*
「紹介状貰いに来ましたー」
衛兵さんにそういう。会うのは三回目だ。
「既に用意してある。少し待ってろ」
領主館に入って行くと、すぐに出てきた。
「ほら、紹介状だ。おすすめは、隣町のイグニスタントシティだな。単純に領主が良い奴なのと、治安が良くて強いやつが集まっていたり、いい素材が集まりやすい。場所は、危険な平原の向こうだな」
それはいい事を聞いた。衛兵に感謝の意を伝え、我が家に帰る。
2024/7/25 キャラクターのセリフに変更を加えました




