ぬいぐるみは大変
我が家の大きなクマのぬいぐるみは、クリスマス前になると、お腹が大きくなります。なりました?
お母さんに尋ねてみると。
「それはね、妊娠しているからだよ」
と言います。
わたしは気になって、クマさんのお腹を開けてみました。チャックを開けると、ワタが詰まっているだけです。
ぬいぐるみは妊娠しない。子供でも知っている。
でも、次の日、また次の日。
ぬいぐるみのお腹は大きくなります。
ワタが自然と増える?
そんなことってあるのだろうか。
水分でも吸って、冬場は大きくなる?
でも冬はカンソウしている。もしかして、水たちも、冬眠するために、隠れていて。
でも、ワタは、全然ぬれてない。
むにゅぅ、これは、難題だ。難しい問題ってこと。
試しに、わたしは、自分のオヤツのクッキーを、クマのぬいぐるみの中に入れてみた。もちろん、ちゃんとサランラップに包んで。それぐらいの常識はあるのです。
次の日、クッキーは、そのまま。わたしは自分のお腹を膨らませるために、クッキーを処理した。処理っていうのは、難題を処理するとか情報を処理するとか、お片付けという意味。
わたしは、別の方法を思いついた。ワタを抜いてみた。
しょぼーんと、ぺらぺらなぬいぐるみのクマさんがいた。
お母さんに、すぐに戻すように怒られた。
可哀想らしい。
ぬいぐるみなのに。
クリスマス。
クマさんが、何かを抱えています。お腹も引っ込んでる。
つまり、クマさんの子供が産まれたのです。
小さなクマのぬいぐるみ、、、しかも、2頭っ!!
「よかったわね、クマさんが増えて」
「お母さん、ぬいぐるみが子供、産まないことぐらい知ってるよ」
そう、これは赤い白ひげのおじいさんの仕業に違いないのだ。
お母さん、バレバレのカムフリャージュをしても、もう分かってるだからね。
来年はぬいぐるみの中に隠れて、サンタさんをつかまえよう。