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side???

始めてまして。

初作品ですので、生暖かい目で見てください。

見渡せば白。

そんな空間にシンプルなテーブルと椅子。

紅茶が入れられたカップが三つとお菓子。

白い服を着た人が三人でお茶会をしている。

テーブルの上には球体が浮いている。


「あーあ、平和過ぎて最近つまんないね。」


「何を言うておる。平和が一番じゃ。」


黄緑の髪色で、青い瞳の15、6歳位にみえる少年に初老の男性が髭をさわりながら答える。

だが、なにもない頭を自分で触りながら話を続ける


「と、言ったものの、こうも暇だとのぅ…。

 なにか少しあると良いんじゃが…。」


「フフッ、なら少しゲームをしませんか?」


初老の男性が声のした方を見る。

黒い髪、黒い瞳の笑顔の女性。

素早く少年が反応する。


「なになに!?やるやる!おしえて!」


「あらあら、では説明しましょう。」


女性は笑みを浮かべながら二人に目を向ける。

少年はキラキラと期待した瞳で女性を見るが、男性は渋々といった形で体を向ける。


「私たちは上の指示で、三人で一つの『地球』の世界を管理しています。

 ですが、別の方が一人で管理してる世界があるのはご存知ですよね?」


「あの変わり者のことかのぉ?確かにあやつも指示されていた記憶はあるわい。

 それがどうしたんじゃ?」


世界の管理者の一人である老人が聞く。

テーブルの真ん中に浮かべられているのは『地球』のようだ。

女性は老人に目を向けて答える。


「『地球』で亡くなってしまった人間に、能力を分け与え、その世界に送り込みませんか?

 自分の好きなように滅ぼして良いって暗示をかけて…。」


「なにそれ楽しそう!

 異世界転生ってやつ!?」


「ふむ、しかし干渉して咎められんか?

 あやつがどんな世界を管理してるのかもわからんぞ?」


少年は乗り気だが、老人が不安を口にする。

しかし女性は笑みをそのままに言葉を紡ぐ。


「上はあまり見てないので問題ありませんよ。

 三人がそれぞれ送って、誰が送った人間が世界を破滅させるか競争しません?」


「ふぅむ…。しかしのぉ…。」


「いいじゃんいいじゃん!やろうよ!

 イレギュラーがあるかもだからルール作りながらさ!」


不安な老人を少年が遮る。

老人はやれやれと首を振り、カップに口をつける。

女性が浮いている『地球』を見ながら口を開く。


「他者に危害を加えられて殺された人間や、自分から命をたった人間。狂気を含んだ魂がいっぱいありそうですね。」


「平和と言っても愚かな人間はいっぱいおるからのぉ。

 いつの時代も一緒じゃな。」


「バカだよねぇ。でも狂気を含んだ魂を転生させて送りつければ、案外すぐ終わるんじゃない?」


女性が立ち上がる。

少年と老人はそちらに目をやる。


「分け与える能力は自由。他者が送り込んだ転生者に妨害もありにしましょうか。もちろん協力するのもアリですね。

 ちょっとどんな世界を管理してるのか気になりますね…。

 調べてみます。」


そう言った瞬間女性がその場から居なくなる。

少年と老人は驚くこと無く、座った状態で紅茶を飲んでいる。


「これでしばらくは暇潰しできそうだね!

 どんな人間を送ろうかなぁ…。」


「あまり派手に動いたら行かんぞ。

 ばれると不味いからのぉ。」


少年に釘を指しながらカップに口をつける。

そのままテーブルのお菓子に手をつけようとするが、女性が戻ってくる。


「フフッ、わかりましたよ。

 剣と魔法の世界…ファンタジーっと言ったところですかね。

 結構世界の成長が進んでいるらしいので、多少の歯応えはあると思いますよ。

 再確認ですが、このゲーム始めますか?」


「へぇ!見てる方も楽しそうじゃん!やるやる!」


「良い暇潰しにはなるかもしれんのぅ。

 わしも参加しよう。」


女性が報告し、少年と老人は参加を決める。

三人とも、イレギュラーが起きたらその時に考えようと後回しにした。

女性は頷き、笑みを深める。

誰もが引き込まれそうな妖艶な笑みを。


「わかりました…。では、早速魂の選別から始めましょうか。

 同時に転生させるために、全員の準備が出来次第と言うことで…。」


「はーい。じゃあ一旦探してくるねー。」


「わしも行こうかのぅ。準備出来次第この場に集まるとしよう。」


少年と老人が居なくなる。

女性はカップに口をつけて紅茶を飲む。少し冷めてしまっていた。

それを飲み干し、新しく自分で注ぐ。

入れ終わり、光の無い瞳でカップを見ながら女性は呟く。


「久々に混沌の世界が見れるのかしら?

 あの子の困った姿も見たいし…。私準備しましょうか。」


女性は立ち上がり、姿を消す。

三人が居なくなったことで白い空間は薄暗くなり、カップやお菓子も消える。

テーブルの中央に浮かんでいる『地球』だけは変わらず、青く輝やいていた。

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