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さぁ男性読者の諸君、想像力をフルに働かせる時間だぞ!


 夕食は無事に終えることができた。世界が弓彦の皿に変な物を入れようとしていたが、三毛がそれを防いだと聞き、弓彦は安堵していた。結局、三毛がアルスの手助けを借り、何とか料理を作ったのだ。


「ありがとう三毛、これで世界が作った変な料理を食べなくて済んだ」


「ああ。あいつは料理ができるのかどうか分からないな……」


 アルスは不審なものを見るような目で世界を見た。その視線に気付いた世界は、ため息を吐いた。


「私はただ、私が作った愛情以上のものがこもったものを食べてほしかっただけよ」


「愛あっての行動か。私は嫌がらせだと思ったが」


 話をする中、時間は過ぎて行った。そして、風呂の時間となった。ロッジから出て、少し歩いたところに風呂場はある。もちろん、混浴ではない。


「はぁ……私は弓彦君と入りたい……」


「今回は俺の他にも雍也先輩もいるから、結局無駄だよ」


 弓彦は悲しそうにため息を吐く世界にこう言うと、男子風呂に入って行った。今回の合宿のメンツはほぼ女子である。男子でいるのは、弓彦と雍也だけだ。


 着替え場に入り、弓彦は開いているかごがないか周りを見た。すると、雍也の着替えが置いてあった。先にきたのかと思いながら、弓彦は服を脱いで風呂場に入った。目に入ったのは、女湯を見るためにいろいろと頑張っている雍也の姿だった。


「あ、確か弓彦君って言ったよね。一緒に覗く?」


「断ります」


 そう言うと、体をお湯で流し、湯船に浸かった。




 女湯。女子たちがキャッキャウフフしながら、着替えをしていた。そのうちの一人が、服を脱いだアルスに近付いた。


「うわー、アルスさん胸おっきいねー」


 女子の一人の言葉を聞き、アルスは自身の胸を見た。他の女子と比べ、アルスの胸は大きいのだ。


「そんなに大きいか?」


「大きいよ。羨ましいなー。大きければ、男子の一人や二人振り向くのに」


「きっと、弓彦君も気にしてると思うよ」


 その言葉を聞いた世界が、アルスにつかみかかった。


「あなた、もしかしてその巨乳で弓彦君を誘惑してるんじゃないでしょうね?」


「誘惑? そんなことするわけないだろう」


「怪しいわね! こんなデカ乳を見たら、確実にあそこがカッチンコになるわよ! もしかしたら弓彦君も、この巨乳を見てトイレで……ああ、シてる姿が見たいわ……」


「そこまで想像するとただの変態だぞ。私は先に風呂に入る。こんな変態の会話には付き合えない」


 呆れたアルスは、先に風呂場に向かった。そこで、アルスは大きな声を上げた。


「おお! これはすごい、とんでもなく大きいな!」


 弓彦家の風呂とは違い、大きい湯船を見て、アルスは感激していた。


「王家の風呂に入ったことはあるが、あちらよりも自然な感じがいい」


「王家のお風呂ってどんな感じだったの?」


 女子の一人からこう聞かれたので、アルスは思い出しながら返事をした。


「床はタイルで真っ白。柱は大理石でできていた」


「ほうほう」


「あと、柱のあちらこちらには飾りのつもりか、宝石が埋め込まれていた」


「すごい……」


「ただ、湯の質はこっちの方が上だ。王家の方はただ水を熱しただけだからな」


 返事をした後、アルスは体を流し、湯船に浸かった。


「ふぃ……極楽極楽」


 アルスはおっさんのようにこう言っていたが、実際に温泉はアルスの疲れを癒していた。その後、他の女子たちも湯船に浸かり、疲れを癒し始めた。


 数分後、勢いよく入り口の扉が開かれた。開けた主は御代だった。


「おーっ! なかなかいい温泉じゃないの!」


「そうですね、生徒会長」


 風呂に入ってきた御代と日枝は体を洗い、湯船に浸かった。


「うーん。気持ちいいー」


「いやー。そうですねー」


 日枝は御代に近付き、こう言った。


「会長、私と一緒にもっと気持ちいことしませんか?」


「止めとくわー」


 御代はこう返事をすると、周りを見てこう言った。


「どうして私の伸長と胸は成長しないんだろう……」


「牛乳嫌いだからですかね」


 三毛がこう言ったが、御代は返事をせずに考えていた。


「違うわ……私はあることを聞いたの。身長は分からないけど、胸は揉めばそれほど大きくなるって」


 この言葉を聞き、女子たちは呆れた顔をしながら、こう思った。


 そんなんで胸が大きくなるなら皆やってるって。


 だが、この話を聞いたアルスが御代にこう言った。


「生徒会長、その仕事、私が手伝います。乳や身長がでかくなる魔法はありませんが、その方法なら願いをかなえることができるかもしれません」


「だったら私が」


「アルス、お願いするわ。日枝はちょっといやらしいことしそうだからさ」


 日枝はこの言葉を聞き、湯船に沈んだ。




「うんそこそこ。そんな感じで」


「こんな感じですか?」


「あぁっ、そこはちょっと……くすぐったいわよ!」


「すみません! ではこんな感じですか?」


「そうそう。本でもこう書いてあったわ」


 この言葉を聞いた雍也は熱くなり、急いで女湯を覗ける場所を探した。


「あー……どこだ?早く見つけて桃源郷を見たいよー」


 雍也の姿を見て、あほらしいと思った弓彦は先に風呂から出た。そしてタオルで体をふき、風呂場から出て行った。


 そんな中、雍也が女湯を覗こうとやけになってることを知らない女子は、体を流しあったり、互いの体系を見て話し合っていた。その声は、男湯の雍也にも聞こえていた。


「うーん……そろそろ見えてもいいんだけどな……」


 壁を調べる中、彼はついに壁に開いている穴を見つけた。心の中でガッツポーズをし、穴を覗いた。


「ぐっひっひー。ようやく皆のナイスボディーが見られるぞー」


「見させねぇよ」


 穴の向こうには、日枝の目が映っていた。


「日枝ちゃん、今日も可愛いね」


「お世辞を言っても無駄よ」


「大丈夫だって、俺が興味あるのはナイススタイルの子だけだから。御代会長のような子供体形には興味ないんで」


「日枝、これは命令よ。後で雍也を半殺しにしなさい」


「イエッサー」


 そのあとすぐ、雍也は風呂から出て、すぐに体を拭いて服を着て外に出た。だが、待ち伏せをしていた日枝が彼を取り押さえた。


「さぁ……お仕置きの時間だ」


 その後、雍也の悲鳴が響き渡った。森では、静かに寝ていた動物たちだったが、雍也の悲鳴を聞き、驚いて逃げ回った。




 弓彦は先にロッジへ戻り、寝る支度をしていた。支度を終え、布団の上で横になって持ってきた本を読み始めた。しばらくすると、電気が消えた。


「停電か?」


 停電だと思い、電気を付けようとしたが、何者かが弓彦を倒し、上乗りになった。


 強盗か? こんな山の中で?


 弓彦はそう思い、携帯を手にし、電源を入れた。携帯の小さな光が照らしたのは、発情した世界の顔だった。


「おわぁっ!」


「静かにして弓彦君……隣にいる三毛さんに気付かれるわ……」


 世界は静かにこう言うと、弓彦の服を脱がそうとした。


「弓彦君……邪魔者はいないわ……これでやっと、一つに慣れるわね……」


「おいちょ、やめろバカ!」


「止めないわよ。この時を、ずっと待っていたんだから……」


 世界の手が、弓彦の頬に触れた。そして、その手は徐々に弓彦の体に動いていき、そしてズボンの裾に触れた。


「この瞬間を待っていたんだ……」


「何をやってるんだバカ者が」


 アルスが電気を点け、世界を部屋から追い出した。


「アルス……ありがとう。俺の大切な何かが守られたよ……」


「あいつも懲りないな。弓彦が嫌がってるのに、どうしてあんなことをするんだか、理解できん」


 その後、アルスは念のためにと思い、三毛と協力して世界を布団でぐるぐる巻きにした。


「ちょっとー! これじゃあ苦しいわよ、寝れないわよ!」


「私が子守唄を歌ってやる。それでもだめなら羊を数えろ」


「そんな古典的な方法で寝れるわけないでしょー!」


「アルス、私はこいつと隣の部屋で寝る。それじゃあお休みー」


 三毛は騒ぐ世界を転がしながら、部屋へ向かった。


「それじゃあ俺らも寝るか」


「そうだな」


 その後、アルスと弓彦は部屋に戻り、布団を敷きなおした。


「そんじゃ、おやすみー」


「おやすみー」


 弓彦は電気を消し、布団にもぐった。




 しばらくは何ともなかったが、弓彦はこの状況を察した。


 人里離れたロッジの中、暗い部屋で男女が一緒の部屋で寝ている。邪魔者はいない、携帯はあるけど大体圏外。この状況、まさに二人っきりの空間となっているのだ。そう思うと、変なことを意識していまい、弓彦は眠れなくなってしまった。


 ああ、誰でもいいから眠らせてくれ。


 心の中で、弓彦は叫んだ。そんな中、弓彦の左腕に何かが当たった。もしかしてと思い、左を向いた。そこには、寝返りをしたせいで、弓彦の布団に入ってしまったアルスがいた。


 これがきっかけで、弓彦の寝れない夜が幕を開けた。


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