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幼女になった勇者様

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ‼いい加減勇者と一発やりたい‼」


 ショーミの情けない悲鳴が、山に響き、やまびことなって帰って来た。その声を聞いたイータは、大きなため息を吐いてショーミにこう言った。


「朝っぱらから何言ってんですかショーミ様。いい加減にしないと警察に突き出しますよ」


「お前もお前で酷い事を言うなー。それよりも、今私は発情しているんだ」


「とんでもないセリフを連続して言うな」


「ぶっちゃけ女性だったら幼女から熟女まで誰だって行けるんだけど、やっぱり勇者とやりたいなー」


「もしもし、警察ですか?」


 携帯電話で警察に連絡するイータの頭を蹴り、ショーミは彼に向かって怒鳴り散らした。


「お前は上司を警察に突き出すつもりか!?」


「変態的な言葉を言う上司なんていりません」


「お前最近冷たいぞ、私の部下だってことを忘れないでね」


「本当は今すぐにでも忘れたいです」


「まーったく……騒ぎにならなかったらいっぺんお前に焼き入れたいなー」


 そんなことを言っていると、ショーミはある事に気付いた。


「どうかしたんですかショーミ様?」


「幼女から熟女……幼女……幼女!そうだ、その手があったか!?」


「ショーミ様、まさか幼女を性的に襲うつもりですか?この小説と作者をなろうから消し去るつもりですか?止めてください。今この作者はこの小説よりもそれなりにヒットしている小説を書いてるんですよ。この小説以上に受けてる小説を書いてるんですよ」


「黙れ薄情者‼作者の事など知った事か‼この手があれば……勇者と一発やれる!」


 悪だくみを考えたショーミは、大声で笑い始めた。そんな中、イータは再び形態をとって誰かと連絡を始めた。


「もしもし警察ですか。この世界のピンチです。変態を豚箱へぶち込んでください。無期懲役でいいので」




 土曜のある日、アルスは家の庭で素振りを行っていた。


「毎日やってるけど飽きないのか?」


 近くで様子を見ている弓彦が、アルスにこう聞いた。


「ああ。何度やっても素振りは楽しいぞ。お前もやるか?」


「止めとく。筋肉痛で苦しみたくない」


「全く、鍛えないと強くなれないぞ。もし、急に魔王みたいな変態が襲ってきたらどうする?」


「うーん……魔王が襲ってくることはないと思うけど……」


 弓彦は脳内でショーミの事を思い出しながらこう言った。


「確かに、あの魔法は弓彦よりもお姉さまを狙ってるように見えますので」


 ムーンが麦茶を飲みながらやって来た。


「それよりお姉さま、先ほどから不吉な魔力を察するのですが……」


「ああ。知ってる。どうせあの変態魔王が来るんだろう……迷惑な奴だ」


 その直後、急に雷が辺りに振ってきた。それと同時に、変態ショーミが空から降ってきた。


「呼ばれてないのにジャジャジャジャーン!魔王降臨!」


「天へ帰れ‼」


 アルスはセイントシャインを装備し、ショーミを空へ吹き飛ばそうとした。だが、ショーミはセイントシャインの攻撃を防御し、にやりと笑った。


「何!?」


「今日の目的はただ一つ!」


 ショーミは片手で何かの印を作り、アルスの胸に押し当てた。


「うっほ、ええ乳やなー」


「離れろ変態‼」


 と、アルスはショーミを蹴り飛ばそうとしたが、押し当てられた胸から紫色の魔法陣が光出し、アルスの全身を包み込んだ。


「アルス!?」


「お姉さま‼」


 魔法陣に包まれたアルスを心配した二人は傍に駆け寄ろうとしたが、その瞬間には激しい稲妻に弾き飛ばされ、倒れてしまった。


「む……むうう……何なんだ一体……」


 アルスの声が聞こえた。二人はアルスが無事だと判断し、ホッとした顔をしたが、煙が晴れた時にアルスの姿を見て、二人はびっくりした。


「嘘だろ……」


「お姉さまが……」


「「ちっちゃくなってるゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!?」」


 何と、アルスの体は小さくなってしまったのだ。二人の言葉を聞き、アルスは自分の手や体を見た。


「おわっ!?何だこれは!?本当に小さくなってる‼」


 小さくなったアルスを見て、ショーミは笑いながらアルスに近付いた。


「はーはっは‼愛らしい幼女になった以上、貴様もいつものような馬鹿力が出せまい!」


 アルスはその言葉を聞き、ショーミの腹にめがけて拳を沈めた。予想以上のダメージを喰らい、ショーミは変な奇声を上げ、後ろに下がった。


「小さくなっても、力はいつもと同じだ‼」


 その後、アルスはショーミをその場に倒し、上乗りになってショーミを殴り始めた。




「相手を子供にする魔法だって!?」


 弓彦は顔面崩壊したショーミから話を聞いていた。


「そう……今日思い出したの、我の闇魔法の中に相手を子供にする魔法があるってことを。それで勇者を子供にして、あんなことをやこんなことをしようとしたの……」


「そんな事したら、この小説どころか、この作者のアカウントが消されるぞ‼」


「うう……お前も作者の事を心配するのか……」


「この作者のアカウントが消えたら、俺達も消えるんだからな‼」


「すみましぇん……今回メタ話が多いよ……」


「そんな事よりも、どうやったら元に戻るんですか!?」


 ムーンはアルスを抱きながら、ショーミにこう聞いた。ショーミは考えながら、ムーンにこう答えた。


「時間経過で戻ると思うけど……結構強く魔力を込めてやったから、1ヶ月はそのままの状態だと思う」


「全く……あなたはいつもいつも余計なことをする‼今度馬鹿な事をしたら、私の魔法で灰にしますよ‼」


「すみましぇん……今日は潔く帰りますぅ……」


 その後、ショーミは大人しく家から出て行った。その直後、自転車に乗ったイータがショーミを見つけた。


「全く、やっと見つけましたよショーミ様‼今日こそバイトへ行ってもらいますからね‼私一人のバイト代では生活が苦しいって分かってますよね!?」


「だって……我は魔王だもん。働かなくていいんだもん」


「そんなの言い訳になるか‼働かないと、あなたが隠し持ってるエロ本を売り飛ばしますからね‼」


「うえええええええええええええええ‼分かりました、働きますぅ‼」


 弓彦は玄関から、泣きながら去っていくショーミを呆れてみていた。


「さてと……これ……どうすっかな……」


 弓彦は幼女化したアルスを見て、困ったようにこう言った。


「何困った顔をしているんだ?」


「お前は苦じゃないのか?子供に戻って」


「大丈夫だな。力も魔力も元のままだ」


「んー……まぁお前が苦じゃなきゃいいけど」


「大丈夫です‼私がちゃんとお世話をしますから‼」


 と、ムーンは目を輝かせて弓彦にこう言った。


「あのなぁ、一応幼女になっても精神はいつもと同じだから、世話とかいらねーと思うぞ」


「あれを見てでも?」


 ムーンは台所にいるアルスを見て、弓彦にこう言った。台所では、高い所にあるお菓子を取ろうと必死で頑張っているアルスの姿があった。


「あれ?これ以外と高い。いつもならすんなり届くのに‼くっそ、やっぱりこの姿では不便だ‼」


 この光景を見て、弓彦は深くため息を吐いた。

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