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激突!生徒会VS風紀委員‼

 御代は風紀委員からアルスを取り戻すために、変なことを考えていた。三毛は渋々御代の後についていて、他の雍也と日枝はノリノリで後についてきていた。


「皆、覚悟はいいかしら?」


 御代は仁王立ちで、風紀委員の教室の前に立った。


「いつでもいいです‼」


 両手にアサルトライフルを構えた日枝が、威勢よく返事した。


「可愛い子がいたらいいな~」


 と、馬鹿な事を考えている雍也はこう呟いた。


「……帰りたい」


 三毛は率直な気持ちを声に出していった。


「じゃあ行くわよ‼アルスを返せ堅物軍団!」


 御代は勢い良く、扉を開けた。その衝撃で岳人や平塚は驚いた。


「あなた達は生徒会!私の天使に何の用だ!?」


 扉の近くにいた若葉が、御代に迫ってこう聞いた。


「アルスを取り戻しに来たのよ‼」


「残念ながら、今アルスさんは我ら風紀委員の役員です。短期だけど」


「じゃあ今日でおしまいね‼」


 岳人は溜息を吐き、御代に近付いた。


「今日でやめるか続けるかは、アルスさんの選択です。あなたが決めることではない」


「あんたはあいつの力を使いたいだけじゃない。ちっちゃいから皆があんたの言う事を聞かないから、アルスの力を盾にしたいだけじゃないの?」


「それは……」


 御代に指摘され、岳人は反論できなかった。戸惑う岳人を見て、御代はさらに話を続けた。


「残念ね、アルスの力をこんなことに使っても意味はないわよ。一応アルスも常識はあるし、どういうタイミングで魔法や剣を出すか分かってるわ。あんたが出せ出せ言っても、あいつは多分言う事を聞かないと思うわよ~」


「このクソガキィ‼それ以上岳人たんをいじめんな‼」


 御代の言葉を聞いていた若葉が、スタ○ドを発し、御代に襲い掛かった。だが、近くにいた日枝もスタ○ドを発し、若葉の攻撃を防いだ。


「私の愛しの会長に手を出すな……おめーは私を怒らせた!」


 その後、教室内で激しいスタ○ドバトルが始まってしまった。飛び交う椅子や机を避けるため、岳人たちは安全な所に避難した。


「いや~。なんかジャ○プ漫画の中にいるみたいで面白いな~」


「兄さん、今こんなこと言ってる場合じゃないよ‼」


「アルス~。早く帰ってきて~」


「私が止まれって言っても止まらなそう……」


 御代は溜息を吐く中、雍也が若葉に近付いてナンパしていた。


「ねーねー。今日の放課後お茶しなーい?」


「黙れ小僧‼」


 若葉は肘打ちで雍也に攻撃して追い払ったが、それでも雍也は若葉に近付いてナンパしている。この光景を見て、岳人は小さく呟いた。


「生徒会にも変な奴はいるんだ……」


「風紀委員の変な奴って誰?」


 と、平塚は言ったが、御代も三毛も岳人も、同じことを心の中で叫んだ。それはお前だと。しばらくし、アルスと弓彦が戻ってきた。


「ただいま戻りました……あれ。御代会長。どうかしたんですか?」


「うわ、中やばい事になってる」


 弓彦は教室内を見て、叫んだ。中のスタ○ドバトルはさらに過熱していたのだ。


「アルス、あの二人止めて頂戴!あんたしか止めれないわ!」


「そうですね。危険になると思いますので、ちゃんと避難しててください」


 アルスは御代にこう言うと、教室内に入り、二人のスタ○ドバトルを止めた。




 何とか騒動は収まったが、生徒会と風紀委員の衝突は収まっていなかった。教室の中央にある机に御代と岳人はにらみ合いながら座っていた。そんなことを気にしていないアルスは、岳人にこう言った。


「岳人風紀委員長。実は、規則を破ってバイトをしている奴がいるらしいです」


「その話か……実は前からそのことは知っている」


 岳人はアルスの方を向き、話を始めた。


「2年の()(かお)の事だろ。彼は根っからの不良生徒と話を聞く」


「じゃー何で動かなかったのよ?」


「怖顔が怖くて動けないんだって」


 平塚がこう言うと、若葉は彼に向かって飛び蹴りを放った。御代は笑いながら岳人の肩を叩き始めた。


「うっしゃっしゃっしゃ‼えー?風委委員長がー?不良生徒が怖くてー?注意しに行けないー?ほんと、そんなんで風委委員は大丈夫なんですかー?」


「うるさい!」


 岳人は御代の手を払い、アルスにこう言った。


「明日以降でも構いません。彼がバイトをしているという証拠を手に入れ、彼に話をしてきてください」


「もし、バイトをしていたら処分はどうします?」


 アルスの質問に対し、岳人は考えながらこう答えた。


「長期停学か……場合によっては退学だ」




 翌日の放課後、アルスと弓彦、ついでに御代は変装というか、私服の格好をして怖顔がバイトしているという喫茶店へ向かった。


「こうすればうちの生徒だとばれないだろう」


「確かにな。でも何で御代会長も来てるんですか?」


 弓彦は横にいる御代にこう聞いた。


「噂の真実を確かめるためよ。嘘だったら、あの坊主になんて言ってやろうかしら」


「悪だくみを考えるのは後にしてくださいね……」


 弓彦は悪い顔をして小さく笑う御代を見て、こう言った。


 3人は喫茶店の中に入り、中を見回した。カウンターには、怖顔らしき人物はいない。


「どこにいるんだ?」


「もしかして厨房かしら」


「だとしたら、調べられないですよ」


 弓彦と御代が会話する中、アルスは右の手のひらに、魔力の塊らしきものを作り出した。


「これで探ろう」


「何これ?」


「ここでいう探知機みたいなものです。今は二人の目に見えますが、少し魔力を込めると見えなくなります」


「ほう」


「探知機って言っても、どうやってその光景が見えるんだ?」


「私の脳内に直接映像として流れる。綺麗にな」


 アルスはそう言うと、魔力探知機の姿を消し、それを厨房に向けて移動させた。


「少し集中しますので、静かにしていてくださいね。あ、注文はチョコパフェで」


「ちゃっかりいいもん頼みやがって……」


 弓彦はこう呟き、メニューを広げていた。


 アルスが放った探知機は、厨房の中へ入って行った。シェフらしき人物を見ると、胸のあたりに名札が付いている。それを目印に怖顔を調べればいいとアルスは思った。しばらくし、厨房の奥のコンロで一生懸命に調理している青年を見つけた。その青年の名札を見ると、そこに怖顔の文字が書かれていた。


 こいつだ。


 アルスはそう思い、しばらく彼の観察を始めた。仕事をしている怖顔は、かなり真面目で、一生懸命に仕事をしていた。彼の仕事ぶりを見たアルスは、探知機を消した。


「いました。厨房で働いている」


「そう。じゃあ噂は本当なのね……」


 御代はこう言ったが、アルスはあの時の真剣な怖顔の顔を思い出した。


「ですが、真剣に働いていました。学校での彼の素性は知りませんが、ここでは不良というような態度をとってませんでしたよ」


「あっそう。でも、この事はあの坊主に伝えるんでしょ?」


「ええ。一応仕事なので」


 その時、注文した品物が届いた。


「その前に食いましょ。この事は明日考えればいいわ」


 御代はそう言うと、ケーキを食べ始めた。


 何事もなく明日が終わればいいが。と、弓彦は心の中で思った。




 翌日。アルスは昨日の事を岳人に伝えた。


「……そうでしたか。では彼を呼び出しましょう」


 岳人はそう言っているが、少し恐怖で体が震えていた。


「怖いなら、私が話をしますよ」


 アルスは岳人に向かってこう言った。弓彦はやれやれと思い、怖顔が風紀委員の教室に来るのを待った。数分後。不機嫌な顔をした怖顔が、教室に入って来た。


「何の用だ?俺は用事があるんだよ」


 と、怖顔が言うと、岳人は咳払いをしてこう言った。


「単刀直入に言います。あなた、バイトをしていますよね。許可を得ずに」


 岳人はこう言うと、怖顔の顔は、更ににらみを利かせた。この顔を見て、弓彦は一波乱来なければいいがと思っていた。

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