No.36
-2025年3月-
帰国して家の中を整理する中、俺は気づく。
「待てよ、引っ越したら毛皮のなめしできない可能性が高い。
となれば、ヌートリア毛皮だけでも全部作ってしまわないと非常にまずいな。
よし、じゃあ今からヌートリア毛皮を全部なめしてしまおう」
俺は、すぐヌートリア毛皮11枚を全部冷凍庫から取り出し、キッチンに放置する。
翌日
「よし、やろう」
解凍された毛皮を手に、トレーラに向かう。
いつも通り穴をあけながら必死に全部除肉し、洗浄後なめしの溶液を作ってペール缶に全部入れる。
「ギリギリ入ったな」
ヌートリア毛皮となめし液で満杯になったペール缶を庭に残し、すぐに引っ越し準備を再開する。
数日後
「……引っ越しまで日がない。それに、そんな中この数をいちいちコンパネに打ち付けてなんてやってられない。
仕上げは雑になるがしょうがない。トレーラーの上に余ってるブルーシート敷いて、そこにヌートリア毛皮を置いて乾かそう」
俺は、倉庫からあるだけのブルーシートを取り出し、トレーラーの上に敷く。
そこに、なめし液から出した全部のヌートリア毛皮を並べ、直射日光に当たらないようトラックシートを毛皮の上に接触しないように掛ける。
「天気予報的には、乾くまでは雨は降らないようだ。これで半乾きまで待とう」
ヌートリア毛皮を並べ終えて、また引っ越し準備に戻る。
1日後に油を塗り、それからまた1日経った、入社目前の日。
「なんとか乾燥まで間に合った。悪くはないけど、やっぱ除肉が甘いな。でももうどうにもならない。これはもう引き上げよう」
俺は完成した毛皮を全部家の中に引き上げる。




