No.33-3
-2024年1月-
コミケが終わり、家に帰って荷物を収める。
それからすぐ、ポリバケツの蓋を開け、中の毛皮と溶液をかき混ぜる。
「今回こそはきちんとした成功となればいいが。
明日溶液から全部上げて、乾燥工程にするか……あ」
毛皮製造の工程を考えていた時、思い出す。
溶液つける前に洗剤で洗うのを忘れたのを。
「まぁいいか」
俺はもうどうしようもないからと諦め、中を攪拌した後、家に戻る。
次の日
「さて、毛皮取り出して、溶液は捨てて」
もういいだろうと考えた俺は、毛皮を別のバケツに移して、ポリバケツの溶液を捨てる。
ポリバケツを洗って、毛皮の毛が生えてるほうを水で軽く流す。
「金槌と小鋲を用意して、倉庫行くか」
家から小鋲(細い釘)と金槌を用意する。
もちろん、洗ったヌートリア毛皮も別のバケツに入れて持っていく。
倉庫に入り、コンパネを用意する。
「これはここに打ち付けて」
毛皮の形を見ながら、コンパネ全体をなるべく使うように打ち付けていく。
「こんなもんか」
毛皮を、コンパネに打ち付け終え、一息つく。
「今回も、うまくいくといいな」
俺はそう思いつつ、道具を片付け倉庫を後にする。
数日後
「まぁ冬だからな、全然乾かないよなぁ。
仕方ない。今日までしかいない以上、今日どうにかするしかない。油塗ろう」
毛皮の乾き具合を見に来てみると、半乾きまで乾いてなかった。
だが、今日までしか休めないため、どうしても今日中に最後の工程をするしかない。
俺は刷毛とキャノーラ油を手にして、毛皮に油を塗っていく。
「よし、こんなもんだろう。もう出発まで時間がない。
急いで片付けて空港に行こう」
俺は油を塗り終え、よさげだと思ったので道具を片付け、倉庫のカギを閉める。
それから、すぐ空港に向かい、家に帰る。




