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番外編 文学フリマ初参加

-2023年2月-



「さて、乗りますか」



中国地方最大のターミナル駅である岡山駅近くのホテルで一泊した俺は、かつて岡山発下関行 1725M-337M-3341Mが走っていたダイヤの列車で広島を目指すことにした。

目的は、文学フリマ広島5にサークルで参加するためだ。



「文フリ広島行くの何年ぶりか?

第一回の時に一般で来たから、4年ぶりだな?

あのときは、第一回だったからブースも少なくて、人も少なかったけど、今回はどうだろうか」



そんな感じで、俺は前に来た時のことを思い出しながら広島を目指す。




「やっと、広島駅に着いた」



3時間後、途中の糸崎で乗り換えてやっとのことで広島駅に着いた。



「ここから路面電車に乗り換えて、会場まで目指そう」



実のところ、すでに広島駅に着いたところで、開場まで1時間を切っていた。

なので、すぐに会場近くまで行く路面電車に乗って、会場近くの電停まで行く。



「よし、設営の準備だ」



開場30分前になんとか到着し、急いでブースの設営をする。




「文学フリマ広島、開場です!」



そのアナウンスとともに、文学フリマ広島が始まる。



「なんとか間に合ったー」



俺は椅子にへたりながら、ぽつりこぼす。



「今回、コミケの売れ残りを持ってきたから、それが全部売れればいいかな」



俺はそんなことを思いつつ、ブースに人が来るのを待つ。




「すみません、1冊ください」

「ありがとうございます」



テーマがテーマだけに、ここでも売れないだろうと予想していたが、意外と売れていく。

で、そんな予想外の出来事に戸惑いながらこれの同人誌を売っていると、俺のブースの近くでうろうろとする女性が現れる。

その女性が、うろうろとしたかと思えば、こちらに急にやってくる。



「もしかして、山田さんですか?」



俺はその女性から、そんな話しかけられ方をする。



「え?は、はいそうですが」

「あ、よかったぁ~~~~。私、○○です」

「え!?」



女性の自己紹介を聞いて、俺は心底驚く。

なにせ、目の前にいるその人は、俺のTwitterの相互フォロワーさんだったからだ。

実はそのフォロワーさんから「当日行きますね?」と事前に来ると予告されてはいた。

のだが、どうせ来ないものと思っていたのだ。



「来ないと思ってました」

「来ますよ!」



俺の言葉に、フォロワーさんがそう反論する。

フォロワーさんが俺と少し話した後、1冊買い求める。



「あ、サインお願いします」

「それも本当にやるんですか?」

「もちろんです!」



フォロワーさんが、ニッコニコの笑顔で求めてくる。

俺はフォロワーさんが差し出したペンを受け取り、サインをする。



「ありがとうございます」

「こちらこそありがとうございます」

「では、またどこかで」

「はい」



俺がサインすると、フォロワーさんは颯爽と去っていく。



「まさか本当に来るとは」



フォロワーさんが去っていったあと、ぽつりそんな一言を漏らす。



「狩猟やられるんですか?」



その後、意外にも売れてうれしく思っていたら、俺のブースに来た人からそんな言葉をかけられる。



「はい」

「何を獲ってらっしゃるのですか?」

「外来種を専門にして。メインはヌートリアです」

「あぁ、ヌートリアを。この辺にはいくらでもいますもんね」

「えぇ、ほんとに」

「うちだと、ハクビシンに果物やられて」

「あぁ!ハクビシン。東海以東だと結構いるって聞きますが、この辺でもいるんですね」

「いますいます」



そんな話を、ブースに来た人とする。



「一冊いいですか?」

「はい、ありがとうございます」



話終わって、来た人に一冊お買い上げいただけた。



「ありがとうございます」



同人誌を渡し、お礼をすると、来た人もお辞儀をして去っていく。



「いい情報が聞けたぜ」



そう思いながら、引き続き同人誌を売る。





「ありがとうございました」



結局、閉会時間ギリギリで、同人誌が全部売れた。



「いやぁ、売り切れるとは思わなかった。され、撤退しますか」



同人誌が完売し、閉会間際なため、急いで撤退戦を行う。



「よし、片付いた。サヨナラ!」



撤退戦を終えた俺は、会場を後にし、自宅への帰路へとつく。

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