No.3-2
狩猟免許受験前に行われる講習会を受講したときの話です。
-2017年8月-
その2-1
8月連休初日。
私はスーパースポーツの後部座席に荷物を括り付け、高速を走っていた。
目的地の県北の街に向かってスロットルを開けていた。
フォン、フォン・・・・・
カチッ
「ふぅ、ここで会場までの道を確認しておこう」
高速を降りてすぐのコンビニでスマホを使用し経路を確認する。
「しかしこのアプリ結構に不親切だからな、油断ならん」
半分信用せずに経路を記憶し再び走り出す。
しかし、
「やっぱり何にも標識ないところで曲がるじゃねーかああああああああああああああああああああ」
ヘルメットの中で叫ぶ私。
「クソッタレが・・・・・あれでどうやって曲がるところを分かれというんだ」
道を間違えて引き返しながら文句を垂れる。
しかし会場名と道路の路線名を覚えていたため案内標識をもとに
走り何とか時間に間に合った。
「一時はどうなるかと思ったぜ・・・・・・」
到着しヘルメットを脱いでそう一言呟く。
受付を済ませ会場へ入る。
意外に人がいる。
しかしほとんどの受講者は私より遥かに年上である。
何人か明らかに私より年下の人もいるが。
「へぇ、あんな若い女子がねぇ・・・・」
そんなことを思っていると講習が始まる。
講習は午前は法規・午後は受験種別ごとに分かれて実技の
勉強となっている。
講習の大まかな内容は、
午前の法規の講義では
・鳥獣保護法の概要
・狩猟鳥獣と判別
・猟具の取り扱い
午後の実技では
・猟具の取り扱いの実践
等について講義を行う。
少し詳細に内容をいうと
・鳥獣保護法の目的
・狩猟免許の種類・試験項目
・可猟区,禁猟区と詳細
・狩猟者登録制度の概要
・法定猟具と種類,構造要件詳細
・禁止猟法
・狩猟鳥獣の種類
・外来生物について
・狩猟鳥獣の大きさと足跡,習性その他
など、ここではこれ以上書かないが
狩猟に必要な知識と狩猟免許試験の要点を学ぶ。
もちろん実技では本物の法定猟具・禁止猟具を
実際に見て、時に操作(勿論法定猟具)をする。
講習自体は実質5時間くらいだろうか。
講習は滞りなく進み、おやつ時のちょっと前ぐらいに終わった。
私は再びモーターサイクルの後部座席に大きな荷物を
括り付け、ヘルメットをかぶる。
「いよいよ後ろの荷物の出番だな」
カチ
キュキュキュ・・・
ブオッブオオオオ・・・・・
今まで休んでいた液冷四発の発動機が電動始動器の力によって
目を覚ましの濁りのない四発独特の排気音を辺りに響かせる。
ガコン
「さて・・・・・・行きますか」
変速機を一速に入れ、断続器を徐々に接続し
発進する。
そして私はとある場所へと向かった。
あぁ、いつのなったら獲れるのだろうか・・・・・