No.23
-2022年12月-
ある日のこと。
罠の見回りをしていたとき、ある小川沿いを走ったいた。
小川を見ながら前を見ていると、中州のようになっているところに、ヌートリアのフンらしきものを発見した。
「んん!?ちょっと待て」
俺はすぐさま小川沿いに車を停め、ヌートリアのフンらしきものの正体を確かめるために川沿いを歩いて中州まで行く。
遠目からでも、小川にある中州にある物体が、ヌートリアのフンであることが確認できた。
「よし、ここに仕掛けよう」
俺はすぐさま車に戻り、箱罠を車から出す。
バッジを付けた帽子とウェーダーを装備し、近くの降り口から川の中に入る。
中州にたどり着いた俺は、いつもどおり箱罠を仕掛ける。
「よし、即ズラかろう」
俺は作業を終え、すぐさま川から上がり、車に戻る。
装備を外してすぐ、車を走らせ罠の見回りに戻る。
++++++++
一週間後。
獲れてるかどうか見回りにくると、ヌートリアがかかっていた。
「やっと獲れたか。うまいこと餌だけ取ったり箱罠発動させておいて逃げたり、散々してくれやがって」
俺はすぐさま車を停め、対河川用狩猟装備を装備して箱罠へと向かう。
「あぁ、わりとでかいな」
箱罠に入ったヌートリアを見ると、そこそこの大きさだった。
俺は箱罠を持ち、川の中に沈める。
ヌートリアが窒息したことを確認して、いつもの処理をする。
すると、川岸から、身なりから明らかに農家をしている感じの知らないおじいさんに声をかけられる。
「こげんとこで何獲りよるんなぁ?」
「ヌートリアを獲ってます」
「おーヌートリアかぁ。ここらようけおるけぇの~」
「本当ですか?」
「ほうよ。こがぁなでかいんもおるけんな」
おじいさんが手を広げて大きさを示す。
「マジっすか」
「大マジで。そんなんもおるけ、皆獲ってくれーやー」
「あーここにいるやつ全部獲るつもりでやってますんで」
「ほうか、頼むで~。ほな、わしはもう行くわ~」
「はい、また」
おじいさんが軽トラに乗って去っていく。
まさかリアルであんなこと言われるとは。
そう思いながら処理を終わらせる。
そして、再度箱罠を設置して川から出る。
その後はいつも通り箱罠の見回りをする。
+++++++++
また1週間くらい経つ。
「またかよ!」
真昼間、俺は憤慨していた。
あのヌートリアを獲った後、箱罠が何もいないのに閉まってるという事態がまた度々発生していたからだ。
「ぐぬぬ、なら餌の置き方を変えて、トリガもギリギリにしよう」
俺は今まで撒き餌を中にも外にも満遍なく置いてていたのを、入り口と釣り餌の奥にのみ置く。
そしてトリガを扉が閉まるギリギリのギリギリにする。
「これで様子見だ」
俺は川から上がり、いつものルーティンに戻る。
+++++++
4時間後。
夕方。
「ちょっくら出かけるついでにあの小川に仕掛けた箱罠がどうなったか見てくるか」
俺は居室から立ち上がり、車の鍵を取る。
色々準備をして、車に乗り込み、用事を済ませに行く。
「さ、用事を済ませたし、箱罠の様子を見てこようか」
用事を済ませた俺は、箱罠を仕掛けた小川に向かう。
小川が見えた瞬間、俺は目を疑った。
「箱罠の扉が、閉まっている!おまけになんかいるそ!?」
箱罠に何かが入っているのを確認し、急いで箱罠のもとに向かい、正体を確認する。
「ヌートリア!やっとかかったか」
中に入っていたのは、やはりヌートリアだった。
「しかし、真昼間に仕掛けて夕方にかかるなんて。
今までの最速記録だな」
俺はヌートリアの処理をしつつ思う。
ふと考える。ヌートリアは基本的に夜行性だ。
だがしかし、こうして昼間に獲れるということは、つまりそこは昼間動いても問題ない環境下であるということ。
つまり……
「まぁいいか。獲り尽くすんだから関係ない」
俺は割り切り、血抜きの終わったヌートリアを袋に入れ、車に戻る。
家に戻ってすぐ、肉を冷やすためにヌートリアを玄関に置き、居室に戻る。
ヌートリア捕獲最速記録:4時間。
いつか更新したいですね。




