表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/45

No.9

渓流釣り解禁日の釣りと狩猟者登録証を返却したときの話です。

-2018年3月-





「今日は~渓流釣りの~解禁日~」

まぁ御察しだろう。

解禁日に有休をとって渓流釣りに洒落込もうとしている途中だ。

だがしかし・・・・・・・俺には一抹の不安があった。

そう、今運転している車の水温計が外気温零度、

周囲は雪だらけなのにレッドゾーン手前を

指示していることに対してとかな!

いや、まあそれは一旦捨て置こう。

捨て置いてくれ。



昨日大雨が降っていた。

仕事中に降り出して深夜には止んだようだが。

だが降った雨の量からして川が増水してるのは

まず間違いないと考えていた。

増水すれば流れが速く当然なる。

ただですら釣りづらい状況が絶望的に釣りがしにくい

上に水温がさらに下がるためほぼ釣れない状況になる。

激流になっていたら即刻引き上げようと

正直思っていたが僅かな可能性に賭けて

結局行くことにした。



しかし交差点を右折し釣り場へ向かう道に

入ったところで私は驚愕した。

その道は片側一車線の道がダムの真下まで

続いているのだが

片側車線が私の背丈より高く積もった雪で

塞がっているのだ。

「えぇ・・・・・これ車の離合どうするのさ」

そんな疑問はすぐに解けた。

漁協の人間が放流作業の時に

車が止められるように雪の壁を崩したらしく

1台くらいは止められるような場所が

いくつかあった。

そのうちの一か所に車を止める。

支度をしていると一人の壮年の人が

しゃべりかけてきた。



「あんたも釣りに来たのかい」

「え、ええ・・・・・」

「やはりか。そこに足跡があるだろ?」

「これですか?」

「そう、その足跡は漁協が放流作業したときに

ついた足跡だ。だからここにはいるぞ。間違いなく。」

「確かにそれならいる可能性は高いですね。」

「ああ、だから早く行ったほうがいい。

解禁日は早い者勝ちだからな。私はまだ準備できてなくてね」

「そうします。お互い釣れるといいですね。」

「ああ」

俺のほうはもう準備が整っていたので釣り場へと向かう。



そしてある違和感に気づく。

「待て、こんなに川が近かったか・・・・・?」

そこで俺は確信した。

「めっちゃ増水してるううううううううう」

もうだめだぁ・・・・・・・おしまいだぁ・・・・・



????「駄目だ駄目だ、諦めちゃだめだ!

出来る、出来る、絶対にできるんだから!」



おう、この状況で釣れるもんならやってみろよ。

流れが速すぎて釣りなんかできないと

判断しさっさと撤退戦の準備に入る。

撤退戦完了したのち家に戻る。



「さて、狩猟者登録証を返しに行こう」

釣りをすぐやめて帰ってきたので午前中に

狩猟者登録証を直接県庁へ返却しに行く。



「すいません、狩猟者登録証の返却に来ました。」

「あ、はい、どうぞ」

中へと案内されて少し待つと再交付でお世話になった人が

対応してくださった。



「返却第一号です」

「へ?」

「猟友会が最初では?」

「いえいえ本当に最初に返納した人はあなたですよ」

「はぁ、そうなのですか」

「結局獲れました?」

「何も獲れませんでした」

「あっ・・・・・(察し

そうですか」

「ええ」

「イノシシ見ませんでしたか?」

「見てないですね、一度も」

「そうですか~

ではこれは確かに受け取りました。」

「はい、では失礼します」

「ありがとうございました」



返却後に隣県の狩猟者登録証を

郵便で発送して返却し

今年の狩猟は本当の意味で

終わったのだった。

撤退した本当の理由は渓流釣り用の仕掛けを持っていなかったからとか言えない

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ