No.1
私が狩猟を始めるきっかけとなったエピソードです。
-2017年 1月-
「今日は獲れてるかなぁ・・・・・・」
私はそう呟きながらとある一級河川の護岸を歩いている。
「ええと、最後に回収するカニカゴは確かここにあるはずだ」
そう独り言を言いながら草むらをかき分け水辺まで歩く。
「お、盗られてないな。早速引き上げるとするか。」
木に括り付けたヒモを見つけ、カニカゴの回収作業に入る。
すると、
「ん?何だかすごく重いぞ?」
紐を引っ張った瞬間から結構に重い感触が手に伝わる。
それもかなりの水の抵抗を持った重い感触なのである。
服を着たまま水の中に入ると水の中でかなり動きにくくなる。
その時に感じるような抵抗なのである。
「・・・・・・もしやついにモクズガニが大量に!?」
すぐさまその説を否定する。
「いやいや、もう真冬なんだ。大量に獲れるわけがない。とするとナマズの類か?」
そう期待しながらカニカゴを手元まで持ってくる。
そしてスマホのライトで照らしたその先にあったのは・・・・・
「ん・・・・・・ネズミ!?」
そう、巨大な鼠の死骸だったのである。
「???????」
私は酷く狼狽した。
「・・・・何なんだこれは」
体調は恐らく50cmぐらいか。尻尾まで含めると80cmはありそうな
巨大な鼠がそこにいた。
すでに死んでおり、死因は恐らく溺れたのだろう。
なぜそう思うか?それはカニカゴの入り口に思いっきり頭を
自力では脱出できぬほどに突っ込んでいたからだ。
そんなことを思考しているうちに私は思い出した。
「・・・・・・そういえば昔テレビでヌートリアについて
特集していたことがあったがこいつか」
思い出した私は写真を撮ることなく近くの土に埋めた。
「しかし結局全部スカか・・・・まあいいやヌートリアについて調べてみるか」
スマホを取り出し調べてみる。
先ほど埋めた死骸を思い出して比べたが間違いない。
「よろしいならば戦争だ」
私はこの時ヌートリアを獲って獲って獲りまくって片っ端から食ってやろう、
と誓い、狩猟免許について帰って調べ始めていた。
ちなみにカニカゴは現地修理ののち再度餌を入れて川に投げ込みました。