壮介との出会い
「純也~、今日からでしょー。早くしないと遅刻するわよー。」
1階のリビングから聞こえる母ちゃんのでかい声。
爆音でロックを聞きすぎて悪くなった俺の耳でもはっきり聞こえる。
「分かってるって!もうすぐ行くから!」
2階から負けないくらいでかい声で返す。
今日から俺も華の高校生活に突入!
よく何かの始まりは、期待と不安が入り混じるというが、バカな俺には期待しかない。
一に青春、二に青春、三四も青春、五に青春!
ん、なんか違うような気がするが、とにかく熱い青春を楽しむぞ!
(キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン)
ふう、ギリギリだった…
何とか席に着くことができた。
てか、俺が最後だったのか。
「初めまして、私が担任の谷口薫です。
この学校はクラス替えが無いから、3年間担任は私でーす(笑)
みんなとは長い付き合いになるけど、よろしくね!」
先生若いな…
20代半ばといったところか。
それしても、この女子の多さ半端ない!
男子はこのクラスしかいないから…
えー、1…、2…、3…。
3!?
自分含めて、4人か(笑)
テラハーレム(爆)
これは、青春ではなく、性春を楽しむことができるかもしれない!
さらば俺の童貞!
なははーん♪
ニヤけていると、ガタイのいい隣の奴(男)が声掛けてきた。
隣の奴「なー。何よだれ垂らしてんの(笑)」
俺「は?垂らしてないし!」
と言いながら、手でよだれを拭く。
隣の奴「なんか女子たち見て、これからどう青春を楽しむか、想像してたんだろう?(笑)」
俺「は?そんなんじゃねーし!」
隣の奴「そんな拒むなって。俺は想像しすぎてやばいよ(笑)」
俺「青春を?」
隣の奴「おう、青春を!ただ、青春のセイは青じゃなくて、性な!(笑)」
俺「ほ~う(笑)お前とは仲良くなれそうだ(笑)お前、名前なんつうの?」
隣の奴「俺の名前は清田壮介!壮介って呼んで!」
俺「そうすけべぇ…」
壮介「お前ふざけんな(笑)でも、間違っちゃいねえけど(笑)」
俺「お前面白いな。俺は竹中純也。純也って呼んでくれよ。」
壮介「純也か。うーん、なんか面白い返ししたかったけど、なんも思いつかなかった(笑)」
俺「別にいいよ(笑)」
入学式とホームルームが終わった。
俺「壮介、部活って何入るとか決めてる?」
壮介「決めてるよ!」
俺「ぉお!何?」
壮介「野球部だよ!」
俺「えっ!野球部!?」
壮介「おう!」
俺「なんで?てか、そもそもこの学校野球部あんの?」
壮介「あるよ!部員足りてないけど(笑)」
俺「そうなんだ。でも、なんで?なんで野球部なの?」
壮介「昔から野球やってたし、高校野球かっこいいじゃん!目指せ甲子園!南を甲子園へ連れてって!」
俺「は、黙れ(笑)でも、昔からやってたんだ!体格いいもんな。キャッチャーとか?」
壮介「ビンゴー!てか、純也は何入るか決めてんの?」
俺「いや、決めてないなー。特にやりたいこともないし。」
壮介「ホントはヤりたいくせにー?」
俺「お前ホントゲスい(笑)」
壮介「てへぺろ」
俺「普通にきもい」
壮介「やりたいことないんだったら、一緒に野球部に入ろうよ!」
俺「うーん、俺も昔から野球やってたけど、ずっと補欠だったしなー。」
壮介「お、やってたんだ!ポジションは?」
俺「ピッチャー」
壮介「きたー!!!!よっ、俺の相棒!」
俺「まだ入るって、言ってねぇし(笑)」
壮介「なんか聞いた話によると、うちの野球部、マネージャーの方が多いらしいよ。」
俺「えっ、入る。」