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エレメンタルランド  作者: 闘松春崇
序章「ようこそ夢の国へ」
1/5

始まりの時

私は知らなかった。夢の国に絶大なる闇があることを……。

だが、気づいた時にはもう闇に支配されていた……。




西暦2848年

とある島国が財政破綻した。

人々は苦しい日々を過ごしていた。

が、ある先進国の「エタロンド」と呼ばれる大企業がその国ごと買い取った。


そして、エタロンドは世界にこう宣言をした。


「この国を世界一のテーマパークにする」


世界中に衝撃が走った。

だがこの先どうなるのかと期待もたくさん込められた。


こうして、国テーマパーク化計画は実行された。



西暦3156年

世界中が注目していたテーマパークが約300年の月日を得てついに開園をした。


そして精霊の加護のある国として「エレメンタルランド」と名付られた。


その後も、めざましい発展をとげ、日々進化する夢の国として世界中へ知りわたった。



西暦3820年

現在にいたる。エレメンタルランドは全ての地を制し、もはや完成と言ってもよいものなっていた。

そしてこの夢の国を8つの国へと分けたのであった……。



「世界最大級のテーマパークエレメンタルランドへようこそ!」


プログラムの女性が私に語りかけてくる。


「エレメンタルランドへの来日は初めてでしょうか?」


「いえ、初めてです……」

そうか……。ここは国だったなと、

国であることを忘れてしまうほどに

素晴らしいところだと思った。


「では我が国について軽く紹介させていただきます」


「あ、はい……お願いします」


「この国は大きく分けて8つの国に分かれております」


こんなバカでかい国があと8つもあるのか……。

圧倒的な経済力を見せつけられた。


「まず、あそこに見えますのが、この国のシンボル、エレメンタルタワーでございます」


なんと大きな建築物だろう。

黒をベースとしたこのタワーには数えきれないほどのイルミネーションが飾られている。


「このタワー、何mぐらいですか?」


「それは不明です。このタワーはいまだ未完成です。しかし、もう大気圏には到達しているとの情報です」


「へ、へぇすごいですね……」


「では、今からこの国シルボリアの中心部へと参ります。マップの真ん中をタッチしてください」


入国した時にもらったマップ。

スマートフォンのような器具だ。

私は言われるがまま、マップの真ん中をタッチした。


「では、移動します。お荷物はすべてお持ちください」


すると、視界が光でつつまれた。




目を開けると、今先ほど遠くから眺めていたエレメンタルタワーが目の前にあるではないか。


「なにがおこっ……」


「ワープでございます」


「ワ、ワープってあの!?」


「はい」


そんな技術があるならなぜ私はわざわざこの国まで飛行機を乗りついできたのだろうか。

このような疑問を抱いていると、


「物体瞬間移動技術はエレメンタルランド独自の技術であり、他国の方々が真似をできるようなものではございません。

これも夢の国だからこそ、実現できるのです」


と、まるで私の心を読んだように解説をした。


「そ、そうですか……」


「ではこの国の銀行についてご説明をさせて いただきます。

お手元のカードをご覧ください」


こちらも入国時にもらったものだ。

30ポイントと文字書かれている。


「そちらのカードはお金と同じです。

アトラクション利用時は1ポイント。

お食事の際は1~10ポイント。

お泊まりの際は5~30ポイント引かれます。

場所によりポイント額はことなります」


なるほど。高いところほどポイントがかかると。


「もし、ポイントがなくなってしまった場合はどうするんですか?」


「はい、このエレメンタルタワー前のエレメンタルバンクでチャージができます。1ポイント1000円です」


「なるほど。わかりました」


「ではエレメンタルランドを心行くまでお楽しみください!」





楽しい時は早く過ぎるものだ。

予算であった30ポイントを1日半で使いつくしてしまった。


「まだまだ遊びたいな…。チャージするか。少しぐらいいいや」


少しぐらい、少しぐらい。

ポイントがなくなれば、そう自分に言い聞かせチャージをした。



そんな日々を過ごしつつ1ヶ月後


「現金がございません。チャージ不可能です」


レジの電卓に手足をはやした感じのキャラクター、「バンクン」にそう告げられ、


「なんとかしてくれ! もっと楽しみたいんだ! お願いだ!」


と、必死にせがんだ。


「それではここの住人になりますか? 住人になれば、ポイントなどなくても永遠にこの国を楽しめますよ」


「そうなのか! もっとはやくいってくれればすぐ住人になったのに……。はやく私を住人にしてくれ!」


「では住人になるための手続きを行います。私についてきてください」


ペタペタとなるバンクンの足音。


それに続き胸を踊らせながらエレメンタルタワーの地下へ続くエレベーターに乗ったのであった。


それからというものの私の記憶はない。

目の前に広がるのは薄暗く、うめき声がそこらじゅうに響きわたる墓地であった。


私はゲストが通るたびに言葉を発する。


「助けてくれぇ……!」


と、今にも死にそうな声で。

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