イチゴパフェは最高だ。
急にタメ口になります(`・ω・´)キリッ
そんな宏一郎くんを許してあげてください。
「じゃあ、町の紹介がてら、ご飯食べに行きましょうか。」
とは言ったものの、どうしよ、おしゃれなとことか知らない。 家を出て、しばらく住宅街を出ようと歩いていたが
とても重要なことに今気づいた。
「何か食べたいものとかあります?」
こういうのは聞いてみた方が断然早いので聞いてみると
「た、食べたいものですかっ?えっと…う~ん、」
しばらく、唸って考えてたがこちらが待ってくれないと思ったのか
「あ!き、今日晴れてよかったですねっ!」
「すっとぼけるな。」
さすがの俺でもつっこまずにはいられなかった。
なんかこいつに敬語使うの馬鹿らしくなってきた。
使うの止めよ…。
「あ、あう…何が……いいでしょう?」
「俺に聞くなよ。なんかないのか?もう大通り着いちゃったぞ。」
「…」
何も言わないので隣を振り返ってみると
「あれ?いない…。」
そのまま後ろへ顔を向けると牛丼屋の看板を見て目をキラキラさせている居候さんを見つけた。
「牛丼…食べたいのか?」
念のため聞いてみるとものすごい勢いで首を縦に振った。
「どんだけ食べたいんだよ…。」
そのまま店内へ入り専用の販売機で食券を買い店員へと渡す。
少したつと店員がさっき頼んだ通りのメニューの牛丼を配膳してきた。
「これが、牛丼なんですね!初めて見ましたっ!感激です!」
いろんな角度から牛丼を眺めては持っていたバッグの中から
スマホを取りだしパシャ、パシャ、と嬉しそうに撮影会をやっていた。
「ん?初めてなのか。…良かったな。」
牛丼ぐらいでこんなに喜ぶのを見てると少し優しい気持ちになる。すると俺の顔をじっと見てる視線があった。
「ど、どうかしたか。」
「…あ!あの、宏一郎さんも笑うんだなと思って…。」
「笑っちゃ悪いか!」
「そ、そうではなくて!わ、笑った顔も素敵です。」
「そりゃどうも。」
「あ!信じてませんねー?本当ですよー!」
牛丼を食べたあとは俺の行きつけの喫茶店へ行った。
ここのイチゴパフェは最高だ。
そうだ。甘党だ、なんか文句あるか。
席について早速メニュー表を覗きこむ居候さん。
「いろいろありますねー!どれも気になります!」
「俺のお勧めは超てんこ盛りイチゴパフェだけどな。」
「おお!気になります!それ食べたいです!」
「じゃあ、すみませーん、イチゴパフェ2つ。」
「かしこまりました。」
店員に頼んだのはいいのだが、話す内容が見つからない。
またしても気まずい雰囲気。
だが居候さんは全く気にしていない様子。
「あ!そういえば!げー、ゲームセンターに行ってみたいのですが…あ…の……連れていって…くれませんか!?」
「ゲーセン?まぁいいけどそんなに面白いもんでもないと思うけどな。」
「わぁ!いいんです!行けるだけで!」
「そ、そうか。」
「お待たせしました、超てんこ盛りイチゴパフェです。」
「どうも。」
「すごいです!美味しそうですねっ!感激です!」
「さっきから、感激しすぎだろ。」
「いただきます!」
人の話を聞けよ…。まぁいいや、喜んでるみたいだし。
「いただきます。」
居候さんがあまりにも美味しそうに食べるもんだから尚更美味しそうに見えたイチゴパフェであった。
ちなみに桜子ちゃんに茶菓子として出した煎餅も甘い煎餅です…。