強き者を求め
壮大な草原を馬で駆ける三人の男がいた。
一人は背中に自分の身長よりも長い長刀を持つ体つきのいい屈強そうな中年の大男。
もう一人は腰に剣を付けている。
屈強そうな男に比べると一回りほど小さい整った顔つきの若い男。
さらにもう一人遅れながら付いてくるのは、
背中に弓を持ち、若い男より少し小さい細い目つきの男だった。
「紅旋様!そろそろ休憩にしませんか?!」
目の細い男が疲れた様な声で整った顔つきの男に言った、空はまばゆいほどの光りを出している。
「何を言っている志潜!早くしなければ戦が終わってしまう!!こんな機会はもうないぞ」
元気な声で紅旋様と呼ばれた男が言った。
志潜はやはり無駄かと、うなだれている。
この三人が目指しているのは一つの大きな戦である。
それは董卓軍と関東諸候連合軍の、天下を左右する戦だった。
「あんな大きな戦に無名の私達がいっても無駄ですって、よくて兵卒あつかいですよ!」
志潜がだるそうに言った。
「兵卒でも雑用でも何でもいい!オレの目的に戦などは関係ない、ただ名のある武将が一同に集まっている事!!それが重要なんだ」
「紅旋さま?やっぱり~これまでして来た事をする気なんですよね??」
ひきつった笑顔の志潜が電光石火の勢いで、紅旋に近づいて来た。
「オレがこの大陸で1番強い事を証明してやる!!」
紅旋は満面の笑顔だ、半泣きの志潜は馬から落ちそうになった、それを支えてくれた屈強な体つきの男が肩を二度ほど叩いた。
「豪雪さん。二人で止めましょ..」
「おもしろそうではないか!!」
志潜が全てをいいきる前に、豪雪と呼ばれた男は本音をサラリといい駆けていった。口が開いたままの志潜を乗せて馬は駆けている。
「本当に楽しみな男だな」
豪雪は心の底からそう感じていた、、、