dream
おともだちのネロさんのとこの創作っ子、ヴィエリとネリーをお借りしました。
ネリーさんが休日を家で過ごしていると、知り合いの薬屋が訪ねてきて…なお話。
目の前に、小さいヴィエリがいる。
サイズが、とかいう話ではなくて(いや、サイズが小さくもあるんだけど)幼いヴィエリがいる。
薬屋曰く、店に置いておいた試薬品をヴィエリが勝手に飲んでこうなってしまったのだとか。ヴィエリと懇意にしている他の女性達のところに預けられるわけもなく、仕方なく私のところに連れてきたと云う。
薬の影響で記憶も幼少時のものに戻ってしまっているらしく、ヴィエリは私を憶えていなかった。
“ネリー”と自分の名前を教えると、ヴィエリは舌足らずに「ねりー!」と何度か繰り返した。合ってるよと頭を撫でてやると、嬉しそうに笑った後、遊び場所を探して部屋の中を探検し始めた。
小さいヴィエリの、まだメッシュを入れていない紺の髪はサラサラと揺れ、くりっとした大きな目は輝き、ぱたぱたと部屋の中を駆け回る姿はとても楽しそうで。小さくとも魔である淫魔にこの表現はおかしいかも知れないけど、すごく無邪気に見えた。
そんな小さいヴィエリが無邪気な笑顔のまま私のところへ来て、スカートの端をつかんでこう言った。
「ネリー!ネリーもいっしょにあそぼ!」
どうやら名前の発音をマスターしたらしいヴィエリ。一緒に追いかけっこでもして遊びたいみたいだけど、残念ながら私の部屋は私が駆け回れるほど広くない。
視線を合わせるようにしゃがむと、ヴィエリが期待に満ちた目で次の言葉を待っている。
こうして見ると、こいつも整った顔してるのに、と思う。大きな翡翠の目、小鼻、ふっくらした頬、きめ細かな肌、姿を変えたりしなくても十分にその辺のアイドルなんかより上だ。
黙ってそんなことを考えていたからか、ヴィエリが不思議そうな顔で「ネリー?」と訊いてきた。
この小首を傾げる仕草とか、その手に弱い人が見たら一発で落ちるんだろうな…
「何して遊ぶ?」
「おいかけっこ!」
「んー…」
やっぱりか。出来ない、って言うのは簡単だけど、この笑顔を曇らせるのは忍びないし…どうしよう。
そもそも私の部屋は子供が遊ぶのに向いてない。遊び道具もない。強いて言って本を読んであげることぐらい。でもこのヴィエリが大人しく本を読むので満足してくれるかどうか…
と考えあぐねていると、爆弾を投下された。
「ネリー。ネリーは、おれがきらいなの?」
「えっ?」
「おれがきらいだから、いっしょにあそぶのいやなの?」
大きいヴィエリならまだしも、今のこの小さいヴィエリを嫌う理由なんてないのに、どうしてそんなことを?
嫌いじゃないよと告げても、ヴィエリは真面目な顔でじっと見つめてくる。
隠しきれない不安が瞳の奥で揺れていた。
それもそうか…。薬品の臭いが籠もる薄暗い店の中で目が覚めて、そのあと知らない人に連れて行かれた場所はやっぱり知らない場所で、知らない人がいた。しかもそこにいた人は一緒に遊んでくれず、ただ自分を見てるだけ。
普通の子なら親を求めて泣き出しても仕方ない状況。でも私たちに親はいない。
それがわかっているヴィエリは、ただ、自分が今置かれている状況で自分が捨てられないようにするしかない。…無邪気に振舞いながら。
私はそっとヴィエリを抱きしめた。
「ネ、ネリー?」
「無理、しないでいいから。」
「え」
「不安にさせてごめんね。無理しないで大丈夫よ。」
「…うん」
「私には甘えても大丈夫だから、ね?」
「うん…!」
ヴィエリの頭をゆっくり撫でていると、ヴィエリの緊張が解けていくのを感じた。ヴィエリはそのまま私にしがみつくと、疲れたのか安心したのか、寝息を立て始めた。
まだヴィエリの寝る場所がないので、とりあえず自分のベッドへと運ぶ。
“薬がいつ切れるかは判らない、もしかしたらずっとこのままかも知れない”と薬屋は言っていた。
それならそれでも構わない。無邪気なヴィエリというのは新鮮だし、大人の時とは違って可愛げもある。それに他に頼る当てが無い以上、私が面倒を看るしかないだろう。何より、ヴィエリは無意識の内に私を必要としている、それを無下になんて出来ない。
ベッドに寝かせて毛布をかけてやると、ヴィエリが薄く目を開いた。
「ごめん、起こしちゃった?」
ヴィエリはそれには反応せず、「ネリー」と小さく私を呼んだ。
「おれね…、おれね、ネリーが好きだよ」
幸せそうに笑って呟かれた言葉は、いつものヴィエリが言う冗談混じりの告白なんかではなく、純粋に心から零れた真っ直ぐな気持ちだった。
だから私も、真っ直ぐに返す。
「ありがとう、ヴィエリ。私もあなたが好きよ。」
ヴィエリは満足そうに笑うと、また寝息を立て始めた。寝惚けたのか本気だったのか判らないけど、ヴィエリの素直な言葉を聞いたのは久し振りだった。
これが、大人のヴィエリだったなら―
そう考えて、私はその考えを消した。
大人だったらどうだったと言うのか。私はきっとまたいつも通り適当に流して、ヴィエリもまたいつも通り冗談を言って終わるのだろう。
今、この状況だからこそ言えた素直な言葉。
それが子供相手というのが情けないけど、それが私の本心だということに変わりはない。
不安そうになんてしないで。いつもバカみたいに笑ってるくせに、悲しそうな顔しないで。
私はあなたを置いて逝ったりしない、傍にいるから。だから
「安心して、ヴィエリ」
そう言って、寝ているヴィエリの頭を撫でながら、私も眠りに落ちた。
思い立ったが何とやら!!!な感じの思い立ったから書いたものです。ネロ氏すんません、勝手にお借りしてすんません。設定とかうろ覚えです、ヴィエリんの目って紫だっけ?とか((
ネリーにしろヴィエリんにしろ「誰おま」感が否めない/(^q^)\
ヴィエリんはまだ幼児化で性格ぶっ壊すつもりで書いたから(←オイ)いいとして、ネリーさんホント誰おま。
ネリーさんごめんなさいねろちゃんごめんなさいクオリティこんなでごめんなさいでも書いてて楽しかっt(Σ殴)
いつかニーノさんとかも書いてみt(規制)