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彼方の約束

流れる涙を拭うこと無く、自転車を走らせた。職場のイジメは、続いていた。

もう今日はガマンの限界だった。女手ひとつで息子を育てて来た。

辛いことなら、幾度もあった。

保険の外交員、不動産屋の受付、電気メーカーの部品仕分け、ネジの選別と出荷。

質屋にも通った。ひとり息子の成長を願いながら。


ひとり息子の万三は、涙を流しながら自宅方向へと自転車を走らせる母を見た。

理由は分からないが、悲しい気持ちになった。母さんに何があったのだろう。

団地の敷地内で、友達と遊んでいたが、夕方家に帰ると母は晩飯を作っていた。

「ただいま」

「おかえり、オムライス作ってるよ」

「えっ!やったー!」

小学五年生の万三には、それが精一杯の励ましの言葉だった。笑顔でオムライスを作る母の姿は、大人になっても忘れる事は無かったのである。

伊原万三は、十九才の春に上京して、働きながら夜間大学に通う。四年で無事卒業し、社会に出た。

この伊原万三は、新宿雑居ビルの殺人事件に関係ある人物かと思われたが違ったのだった。しかし、万三の友人である鳩谷邦夫の指紋が死んだ2人の体から検出されたのである。

伊原万三の話は、本当に必要だったのか。

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