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第10話 ちっぽけな勇気

 遡ること、ヒリスとディルナーデの激闘が始まった頃……。


 俺はまだ、屋敷から動けずにいた。


 なんとかギドーは倒せたが、相手が魔族となってくると話が変わってくる。

 あいつらは規格外だ。


「くそっ……神だった時の力があれば魔族程度……」


 ないものねだりしてもどうにもならない。

 ヒリスが今も魔族と戦っている。

 どうするべきか。もちろん。


「ヒリスを助けに……い、行けない……」


 足が震える。ギドーとの戦いで消耗した訳じゃない。

 これは紛れもない恐怖だ。

 神の時には味わうことがなかった漠然とした死への恐怖。


 俺が行ってどうこうなる相手じゃない。

 アルノシアとルビウスに喧嘩を売る程だ、おそらく子爵以上。そんなやつと戦ったってなんの意味もない。むしろヒリスの足を引っ張ってしまう。


「そうだ……俺が行ったって……。それに、俺はここで死ぬ訳にはいかない」


 ゼリオスが俺を転生させた理由、それは魔神復活の阻止、もしくは復活した魔神の討伐だろう。

 今の時代、かつての3英雄ほどの力を持った人間はいない。

 つまり、将来的にその3人に匹敵する力を持った俺がここで死ぬ訳にはいかないんだ。


「ヒリスのマナが……」


 さっきとてつもないほどマナを解放したみたいだが、それも凄い勢いで弱まっている。

 奥の手を使ったのだろう。

 魔族のマナに揺らぎはない。

 ヒリスの奥の手でも敵わなかったということだ。


「くそ……」


 俺は死ねない。死ねないんだ。

 このまま急げば魔族から逃げられる。


 俺はこの世界を救わなければいけない。

 幼馴染の命一つと世界……どっちが大切かなんて天秤にかけなくても明らかだ。


「どっちが大切なんて……決まってる……!!」


 俺はヒリスが戦う街外れの森へと走り始めた。


 ◇


【天界】


「ゼリオス様。無理よ。今のエドラスじゃ勝てない」


 下界の様子を最高神ゼリオスと共に伺っていた言霊の神サリアスはそう言う。


「さて、どうじゃろうな」


「何を根拠に……。全てが無駄になるわ」


「無駄では無い。エドがどんな選択をしようとそれを尊重すると決めたはずじゃ」


「そうだけど……」


 サリアスは心配そうにエドラスを見る。


「大丈夫じゃ」


「どうしてそんなに自信満々なの?」


「ふむ、そうじゃのう……。理由としては幾つかあるが、1番はあやつはやる時はやるやつという事じゃ」


「はぁ、全く分からないわ」


「見ておれば分かる」


 ニヤリと笑うゼリオスとサリアスはエドラスが映る水晶に目を向けた。


 ◇


 ディルナーデの攻撃を受け止めたところに戻る。


「チッ……重いな……」


「エド……!どうしてここに来たの……!?それに、雷?ねぇ!!」


「話は後だ!そんだけ元気なら少し力を貸せ!」


 ヒリスは戸惑いながらも頷き、俺のバリアに自身の雷も足す。


「「おらぁぁあ!!!」」


 2人の力で球体を弾き飛ばし、難を逃れた。


「へぇ」


 魔族は驚いた様子で俺達を見ている。弾かれたのは予想外だったようだ。


「あいつが魔族か」


「ええ、ディルナーデっていって子爵級の魔族よ。スキルは分身、気配消し、ブラスター、自動治癒の4つ」


「厄介だな……」


 予想はしてたが、子爵級か。

 それに自動治癒が何よりも厄介だ。

 消耗戦になると勝ち目は無い。

 それを見越してヒリスは奥の手を使ったのだろうが、それでも敵わなかった。


「どうするか……」


「ゲホッ……ゲホッ!!」


 ヒリスは激しく咳をし、血を吐いてしまう。


「マナ切れだな。ヒリスは下がってろ」


「まだ……戦え……ゲホッ」


「もう立つことさえできないだろ。いいから……」


 ヒリスは震える手で俺の肩を掴み、心配そうな目で俺を見る。


「エドを守るのが、私の役目でしょ……?」


「いつまでも守られる訳にはいかないんだ」


「でも……」


「ヒリスに守られてばかりじゃダメなんだよ」


「私より弱いエドに何ができるのよ!!」


 ヒリスはどうしても戦わしたくないらしい。そりゃそうか、実際問題俺はヒリスより弱い。


「ああ、弱いよ俺は。でも、俺はヒリスを見殺しにできる人間じゃなかったらしい」


「エド……」


「大丈夫。ヒリスが回復するくらいの時間は稼いでみせるから」


「ダメ!!エド!!……ダメ……」


 声を絞り出して俺を止めようとするが、俺は振り向かない。


「君は……。ふむ。ギドーは殺したようだ」


「あの程度どうってことない」


「そりゃそうだろうね。魔堕ち人となってもあの程度、正真正銘の出来損ないだ。あの程度の人間がルビウス家とはね」


「……」


「出来損ないであることを受け入れられず醜くも抗い結局、無能と蔑んだ弟に殺される。とんだ笑い話だ」


 ディルナーデは鼻で笑いながらそう話す。

 確かにその通りだ。正直ギドーに戦闘のセンスは無かった。かと言って頭がいい訳でも無い。

 俺がいなかったらルビウスの恥と言われていたのはギドーだったかもしれないな。

 それでも、あいつは紛れもなく血を分けた兄弟だ。


「あれでも兄弟なんだあんまり悪く言わないでくれ」


「はっ、殺した当の本人が言うこととは思えないな」


「必要な事だった。断腸の思いだったよ」


 ディルナーデは静かに目を細め、ジッと俺を見る。


「雰囲気はあるが……とてもじゃないが俺には勝てないだろ」


「やってみないとわからないだろ」


「そのふざけた態度もいつまで持つか楽しみだな。お前はあの女にとって大切な存在らしい。簡単には殺さない。あの女の目の前で見るも無惨に殺し心を折る。そして、この街を焼き付くし、魔神復活の礎とする」


「御託はいい。かかってこい」


 額に青筋を立てたディルナーデが鋼鉄の爪を生やして肉薄してきた。


「それは強者が言うセリフだろ!!」


「おっと」


「なに……!?」


 ディルナーデの連撃を軽く受け流し、カウンターを叩き込む。


 剣はダメになってしまった。

 俺に残されたのはこの武神流体術ともう1つのスキルのみ。


「妙な体術だ……」


 簡単にはダメージは与えられない。すんでのところで防御されてしまった。


「ほら、いくぞ」


「チッ……」


 俺はディルナーデに連撃を叩き込む。

 全て防がれてしまったが、俺の攻撃は終わらない。


【残雷】


 マナを解放すると俺が繰り出した打撃から遅れて電流が迸る。

 打撃を防がれても、遅れて攻撃してくるこの雷は初見じゃ防ぐことは不可能だ。


「ぐあぁっ!!」


 さすがの子爵級でもこれには対応出来なかったようだ。

 ようやくダメージが入った。


「す、すごい……」


 俺の立ち回りにヒリスは思わず感嘆の声を漏らす。


「でも、なんでエドが雷のスキルを……?」


 困惑しているようだが、仕方ない。中々切り出すタイミングが無かったんだ。

 あとでちゃんと説明しよう。

 生きていたらだけど。


「くそっ!なんだこれ……傷が回復しない……!!」


「鬼雷だ。俺が繰り出す雷の打撃は一定時間ダメージを与え続ける」


 だが、これじゃダメだ。致命傷にはならない。ダメージは与えられるがこいつを倒し切ることはできない。


 こいつを倒す方法は2つ。


 マナ切れを起こさせ、自動治癒スキルを使えないようにする。マナの総量に無限はない、いつかは底をつくはずだ。


 もう1つは、治癒も追いつかないほどの火力で頭、または心臓を吹き飛ばすことだ。これは現実的に厳しいだろう。ヒリスが回復したとしてもあいつを吹き飛ばすほどの火力を出すことはできないはずだ。俺のマナを全開放すればあるいは……?


「この雷……鬱陶しいが、大したダメージではないな。時間稼ぎのつもりか?」


「どうだろうな」


「ふん、バレバレだ。あの女の回復を待っているのか?……いや、目的は他にありそうだ」


 くそっ。無駄に勘がいいな。

 ここに到着する前、テレパシーのスキルを持った連絡係にリックへ緊急事態を知らせて貰っていたのだ。

 だが、リックがどれだけ全速力で移動したとしても、2時間はかかる。

 2時間も持ちこたえることはどうやら出来そうにない。


「ふぅ……」


 全ての感覚を研ぎ澄ませ構える。

 見据えるは子爵級の魔族。本来であれば俺なんかが敵う相手ではない。なんとかヒリスが回復する時間を。


「ほらいくぞ!!」


「くっ……」


 痺れを切らしたディルナーデが俺に肉薄する。

 迫る爪を掻い潜り懐に潜り込むが有効打を与えられない。


 繰り返される剣の応酬は激しさを増し、次第に押されていく。


「まだまだ!!」


 ディルナーデのスピードが更に上がる。

 こいつ……まだまだ本気じゃないみたいだ。流石は子爵級といったところか。


「オラッ!!」


 〔ギンッ!!〕


「くそが……」


 僅かな隙を突くがギリギリで防がれてしまう。


「さっきの威勢はどうした?」


「はぁ……はぁ……」


「随分と息が上がってきたな。人間は脆弱で醜い。この程度で音を上げるとは」


 好き放題言いやがって……。

 こちとら3年前にやっとまともにトレーニングが出来るようになったんだよバカヤロウ。


「そろそろ飽きてきたな。終わりにしよう」


「なっ……」


 ディルナーデは目にも留まらぬ速さで俺の懐に潜り込み、俺の心臓目掛けて鋭利な爪を繰り出してきた。


「ぐあ……」


「ほう……ギリギリで躱したか」


 咄嗟に回避したが、爪は俺の左肩を貫いた。


「苦しむ時間が増えるだけだと言うのに」


 にやりと笑うディルナーデは爪を抜く。

 刺されるのはやっぱ痛いな。


「くっ……」


 俺は膝を着いてしまう。


「ルビウスも所詮この程度か」


 ディルナーデの攻撃が俺に迫る。


「させない!!」


 〔ギンッ!!〕


「ヒリス……」


 すんでのところで僅かに回復したヒリスがディルナーデの爪を弾く。


「はぁ……はぁ……」


「まだこれだけ動けるのか」


「これくらいなんともないわ」


「強がるなよ。でも、君からは神経を逆撫でするような嫌な気配がする。僅かだが、かの英雄と対峙しているような感じだ。ほんの僅かだけどね」


 ディルナーデが言っていることはなんとなくわかる。ヒリスの強者たる風格はかつてのレオナルド・アルノシアを思わせる。

 直に見たことある俺が言うんだから間違いない。

 ヒリスはその血を色濃く受け継いでいるのだ。


「今代の勇者か。やはり危険だ」


 ディルナーデはヒリスに肉薄し連撃を叩き込む。

 ヒリスも上手いこと凌いでいるが……ジリ貧だ。


 俺はまだマナに余裕がある。


「加勢に……ぐっ……」


 身体が思うように動かない……。

 ギドーとの戦いのダメージと疲労の蓄積がここで……。

 圧倒的に体力が無さすぎる。


「エド!!」


「余所見か?」


「くっ……」


 ヒリスが押されている。

 このままじゃ……ヒリスが殺されてしまう。


「動け……!!」


 身体が悲鳴を上げている。


「はは!やっぱり君では役不足だ、ルビウスの末裔。大人しくそこで大切な人が殺される様を見るがいい」


 くそ……。


 〔カンッ!!〕


「隙ありだ」


 ディルナーデの爪はヒリスの剣を弾き飛ばし、腹部を貫いた。


「ぐっ……」


「ヒリス!!」


「致命傷は避けたか?だが、ここまでだな」


 貫通した爪を引き抜き、ヒリスを蹴り飛ばす。


「やめろ……!!」


「ヒヒッ……」


 くそが。

 楽しんでやがる。


 悪意の権化……。

 あいつらは相手をどういたぶるかしか考えていない……。

 このままじゃヒリスは凄惨な目に合い、殺されてしまう。


「……そんなこと……させねぇ……」


「ん?ああ、君はもういいよ。そこで待ってなよ。俺はこの女と遊ぶから」


「させねぇって言ってんだろ!!」


「はぁ」


「ぐあっ!」


 ディルナーデに迫るが容易に蹴り飛ばされてしまう。

 圧倒的なステータスの差だ。

 この差を埋めないことには……。


「ヒヒッ……さぁ、どうしてやろうか」


 不敵な笑みを浮かべたディルナーデはヒリス頭を掴み持ち上げる。

 そして、掴む力は次第に強まっていく。


「くっ……!!」


「へぇ、悲鳴はあげないのか。あいつに聞かれないようにしてるのか?健気だなぁ」


 ギリギリと強まる力にヒリスは唇を強く噛み、血を流す。そして、口を開いた。


「逃げて……」


「っ!!」


 この期に及んでも俺の心配かよ。ヒリスらしい。

 ヒリスと出会ってから俺は、ずっとその背中に守られてきた。

 このたった15年で返しきれないほどの恩がある。

 いや、この際恩だとかこれまでの思い出だとかは関係ない。


 ただ、ヒリスが死ぬのは……嫌だ。



「ヒヒッ、鳴けよほら……ん?」


 ゆらりと立ち上がる。

 その様子に何かを感じ、ディルナーデは手を止めた。


「エ……ド……」


 その瞬間、俺は残る全マナを解放した。


 ビリビリと地響きが起こるほどのマナの圧に魔族であるディルナーデも気圧される。


「なんだこのマナの量は」


 消耗していたとはいえ、俺のマナの総量はSだ。これだけあれば、あのスキルを使える。


 まぁ、代償は支払わなければいけないが。


 俺は両手を前に出し、空を掴む。

 その動作は剣を抜き取るが如く。そして、両の手のひらからは赤黒いマナが迸り、なにかに共鳴したかのように瞳が銀色に染まる。


「まさか……!!神のマナ……!!」


  通常、人間のマナは半透明。そして、銀色の瞳と赤黒いマナは神である証と言われている。


「させるか!!……っ!?」


「いかせ……ない!!」


 危機感を覚え、俺に攻撃しようとするディルナーデをヒリスが身を呈して止める。


 ありがとうヒリス。

 もう少し耐えてくれ……。


「はぁ……はぁ……ぐっ……身体が……引き裂かれそうだ……」


 このスキルは本来ならステータスがしっかり育ってから発動すべきものだった。

 じゃないと神のマナの影響で肉体が耐えられないから。


 パキパキと肉体の表面に黒いひび割れが走る。


【緑雷】


 雷元素スキルの回復技【緑雷】でひび割れを治す。

 その繰り返しだ。


「頼む……応えてくれ……!!」


 何度もその気配は感じ取っていた。

 まだ手に取るには早いと思っていた。

 今の脆弱なステータスでこいつを召喚したら、俺の身体は間違いなく崩壊するだろう。

 だが、そうも言ってられなくなった。やるしかないんだ。

 頼む……!!


 ◆


 目の前が真っ白になり、暖かいマナが俺を包み込む。

 真っ白い空間。

 ここは、俺の精神世界か。


 目の前にあるのは台座に立てかけられた背丈程ある大太刀

 漆黒の鞘に収まるその大太刀はまるで待っていたかのように威風堂々と佇んでいた。


「ボロボロの身体で迎えに来て悪いな……」


 大太刀の前に立つ。


「さぁ、行こうか」


 大太刀を持ち上げ、鞘から勢いよく抜いた。


 ◆


 俺の意識は現実に戻る。


 バチバチと赤黒いマナが迸り、空を掴んでいた俺の手に徐々に得物が型どられていく。


「はぁ……はぁ……へっ……へへ……」


 嬉しくもなるさ、10数年ぶりに俺の愛刀と再会できたんだから。


 感じる。魂の共鳴を。

 懐かしい感覚だ。


【スキル:神剣召喚】


 神剣が完全に顕現する。

 漆黒の鞘から覗くのは黒く染った刀身に真紅の刃。

 神のマナを纏ったその大太刀からは圧倒的なまでの覇気が溢れていた。


「その剣……!!忌まわしきエドラスの……!!」


 ディルナーデはビキビキと額に青筋を立て、今までにない程の殺気を向けてくる。


 子爵級のくせにこの神剣を知ってるのか。

 物知りなやつだ。


「ど、どういうこと……?なんでエドがアル姉様のスキルを……」


 一方のヒリスは混乱しているようだ。


「エドラス……そうか貴様、全能神エドラスの系譜だな?つまり、それは模倣系統のスキルでコピーされたスキルだ」


「ご名答。意外と頭良いんだな」


「ふっ……はは……はははは!!」


「……」


「模倣系統のスキル!確かに万能だが貴様はそのデメリットを理解してないようだ!!」


「?」


「模倣系スキルの最大の弱点。それは……【オリジナルよりも弱体化する】という事だ。残念だったな。そんな紛い物で俺に勝て……


「そんな"ちゃっちい"ものと一緒にすんなよ」


「っ!?」


 ディルナーデの視界から俺の姿が一瞬で消え、足元で倒れていたヒリスの姿が無くなった。


「神剣召喚したことによるステータスの強化だ」


 名前:エドラス


 体力:169 C

 筋力:202 B

 敏捷:256 A

 器用:276 A+

 マナ:462 SSS


 スキル:雷元素Lv.3 神剣召喚Lv.-

 パッシブスキル:マナ感知S 精神異常耐性S 剣術 A 体術 A New.武神流剣術 -


 ステータス一時的に3段階up。

 パッシブスキルは1段階up。

 新たなパッシブ【武神流剣術】は俺が神の時に極めていた剣術だ。大太刀を握ったことで覚醒したのだろう。


「馬鹿な!劣化スキルでここまでの強化が!」


 そして、ディルナーデは何かに気付いたかのようにニヤリと笑い俺を見る。


「貴様……死ぬ気だな?」


 鋭いな。

 本来俺のステータスでは神剣を召喚することすらできない。

 仮にできたとしても、その力の0.1%以下程しか引き出せない。

 つまり、ここまでのステータス強化は有り得ないという事だ。

 じゃあどうしたか?

 簡単な話だ。代償を支払う。

 ただ、それだけだ。


「野暮なこと聞くなよ」


「馬鹿な男だ。俺が勝てば貴様は無駄死にとなるだろう」


「やってみないとわかんねぇだろ」


 ゆらりと大太刀を構える。


「さぁ、第2ラウンドだ」


 漆黒の爪と大太刀が激しくぶつかり合い、再び戦闘が始まった。

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