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第6話 未知の樹海

作品に目を通していただき、ありがとうございます。

作者のモチベーションと、作品を継続するか否かに関わるため、よろしければ評価、ブックマーク登録、お気に入り等お願いします。


丁寧に前書きで伝えても誰も評価しないのを、愚痴っても仕方がないので、率直に今の感情を吐露します。

評価されなくとも作者に時間とモチベーションさえあれば、作品は完結するので、つまるところ作者の意思が創作において、最も重要な要素なのでしょう。

けれど時間は有限で一切の評価もされず、世間から冷笑されても挫けない、無限のモチベーションの持ち主の作家など存在しません。

だからこそ作者自ら努力の一助となりうる評価、ブックマーク登録、お気に入り等をしてほしいと再三主張しても、読者がそれをしないのだから、もう続けないでいいのだと判断しました。

キリのいい10話まで続けて反応がなければ辞めるので、作者の決断への、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

「これが本当に船の中なのか?」


扉を開けた先には鬱蒼とした樹海が広がっていた。

天を見上げると空を覆うように伸びた木々の隙間から、青々とした空間が映る。

しかし一行が、悠長に景色を眺める余裕などなかった。

方々から、魔物の鳴き声が響き渡っていたからだ。

冒険者が恐る恐る先を進むと、何かを見つけたのか手を振る。

気になった一行が駆け寄ると、冒険者の視線は不可思議な白の台座を捉えていた。

大理石のような質感の四角形のそれに刻まれた、冠を被った少女が天を仰ぎつつ片手を掲げる姿は、何を意味しているのだろうか。

次から次に謎が増え、頭が混乱してしまう。


「……どこまでも続く緑。何かを置く為の台座。用途不明な品々に、不用意に触らないと心に留めておけ、冒険者共。何が起きても保証はできん」


ライリーが力強く発すると、彼らはこくりと頷く。

未知の樹海では、何が起きても不思議ではない。


「さっそくだが、ミッション発令。恒久的な探索に必要な資源を確保せよ。我々軍人は拠点設営に忙しいのでな。雑務は冒険者諸君に任せるとしよう」


目標という指針があれば、暗中でも迷うことはない。

任務を言い渡すと


「本当に横暴だな、少し散策を……」


冒険者が物申すが


「さらにもう1つ。サピル・シヌス軍の拠点を設ける足掛かりとして、魔物を手当たり次第始末しろ。数に応じて褒美を取らせる。さぁ、やれ」


有無を言わせぬ突然の2つの任務に、冒険者たちも不平を零す。

しかしライリーは一切顔色を変えず、言葉を続けた。


「何度でも云うが我々の活動に支障が出れば、貴様ら冒険者の活動も滞る。私へ腹を立てようが構わないが、その一時の感情が、自らの首を締めると知れ」


叱咤された彼らは、渋々付近の魔物討伐へと向かう。

冒険者の去った後に平らな土地を探すと、目印として帝国軍の旗を立てた。

鉤爪に杖を持ち、嘴に剣を咥えたワシは、武と知の象徴。

サピル・シヌス帝国軍でも有数の精鋭が揃う、調査隊の一員は深々と敬礼し、作業へと取り掛かる。


「野営地と仮説の医務室の設置が完了致しました、大尉。しかし船内がこのような樹海だとは。冒険者たちは大丈夫でしょうか?」

「手際がいいな。それよりも船内の魔物が、冒険者共の手に負えるかが問題だ。この程度の任務は、易々こなしてもらわんと困る。我々の仕事を増やしてくれるなよ、社会不適応のムシケラが」


憎々しげに吐き捨てた青年に、隊員は機嫌を損ねぬよう口を噤む。

普段は感情を抑えたライリーの発言に、苛立ちが混じっているのは、火を見るより明らかだ。

冒険者だけで探索や魔物の排除に成功してほしいという願い虚しく


「ば、化け物だぁ!」


突如冒険者たちの叫びが木霊し、帝国軍は臨戦態勢に入り、上官の指示を待つ。

事は想定外の連続で、上手く運ばないのが常のようだ。


「あ〜、魔物がでたんだ。ならアタシの出番だよね〜、キャップ」

「君は確か……」


ライリーが話す途中で、その女性隊員は一目散に悲鳴の方へ駆けていく。

規範を守らず、勝手な真似をしてくれる。


「君たちは引き続き作業を。私は彼女を追う」


眉間に皺を刻む青年は端的に告げ、その場を後にした。

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