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第26話 26話をもって打ち切りとさせていただきます

散々前書き、後書きで読者を不快にさせたでしょうが、最後なので綺麗に終わらせます。

今までご愛読ありがとうございました。

10話までと決めていたのにダラダラと続けて、ストレスを溜め込んだのが良くなかったです。

次に長編に取り組む際は5話くらいで損切りし、無駄に時間を費さぬように励んでいきます。

短い間でしたが、さようなら。

エンバーへの元へ急ぐ道中、繁茂した種々が忙しなく揺れた。

生物が蠢く合図に注意を傾けると


「グォォ……」


呻きと共に鉤爪を装着した男が現れ、トマスは瞳をぱちくりと見開く。


「下がりなさい、トマス君」


怪我が完全には癒えぬ吟遊詩人への配慮だろうか。

セリウスが杖で殴打した瞬間に、骨への致命的な一撃が加わったであろう鈍い音が鼓膜を震わせた。

まさかあの斬殺された少女は、こいつの仕業か?

倒れ込む殺人鬼へ訊ねようと近寄ると、木の陰に身を潜めた人影が視界に映り、トマスは思考を停止した。

―――兎面の男だ、エンバーが殺したはずの。


「絞殺魔の兎男、エンバーが頭を割って倒したんです!」


危険を皆に伝えるべく、縞模様の囚人服を指指し叫ぶ。

誰かが新たに絞殺魔を模倣した?

次から次に沸く疑問の答えを考える間もなく、魔物たちは襲いかかり、彼は短刀を手にする。


「私とベルさんも先ほど、鉤爪男と兎男を始末しました。しかし現にあの者たちは、我々の前に姿を現している」


冷静沈着なセリウスは戦いつつも分析し


「―――おそらくは何者かの手によって蘇り、再び我々に牙を剥いている。そう捉えるのが妥当でしょう」

「いったい誰がそんなことを!」

「……」


質問をぶつけたトマスに、セリウスは答えあぐねる。

博識で大半の問題に対しては、精確な解を持つ副隊長。

推論を述べるのは簡単でも、余計な知識を教えればいらぬ混乱を招く。

彼なりの最良の選択であった。


「闇の魔術であれば、独特の瘴気が周囲に漂う。おそらく死霊術の類ではない。これほどの異常事態は未経験。私たちの想像の及ばない、絶対なる存在……彼らにとっての神の力が引き起こしたとしか」


トマスとセリウスが状況を打破すべく、手足と頭を働かす中


「私には願ったり叶ったりですわ。時間を稼げば稼ぐほど、あの豚は……」


棒立ちで何もせず、仲間の死を乞い願うベル。

賭けの勝利の為ならば、手段を選ぶ気はないのだろう。

怒りのあまり、俄然ナイフを持つ右手にも力が入るが、魔物を御するのが先決だ。

トマスが手を突き出すと、体を痺れが貫いた。

痛みを押し殺すも、歯と歯の隙間から漏れる吐息に、副隊長が気がつくと


「……ベル・ベル。先ほどまで重症を負ったトマス君も戦闘に参加しているというのに。君はどこまで私の感情を逆撫でする……!」


眼鏡のレンズが光を反射し、セリウスの両眼は見えない。

だが顔面に浮かぶ青筋が、彼の並々ならぬ苛立ちを物語っていた。

おそらくレンズ越しには彼女を睨み据える、殺意を秘めた双眸。


「わ、わかりましたわ。戦えばいいのでしょう?!」


彼女も命は惜しいのか、素直に応じた。


「皆さん、気張っていきますよ。エンバー、無事でいてください」

「はい。副隊長!」


立ちはだかる狂人を薙ぎ倒すも絶え間なく出現し、一行は対処に追われた。

これから先調査隊を待ち受ける、幾多の試練と苦難。

だが彼らの力と知恵が、きっとどんな荒波さえ乗り越えていくだろう。




ヴォートゥミラ大陸伝承記〜想念の姫と放逐の箱舟〜END

続いていたらやりたかった展開


・呪刻人の首長と戦闘。

・想念の姫との謁見。

・ライリー・グレイ大尉と冒険者の間に数々の諍いが起こるも友情を築く。

・トマスが冒険者に憧れ、ライリーが軍人を目指す切っ掛けの過去回想。

・仲違いするエンバーとベル・ベルの協力。セスの探す人を蘇らせる秘薬の発見イベント等、仲間に関する小話。

・無数のダンジョン攻略。

・想念の姫を利用しようとする人間の争い。

・想念の姫と和解し、真なる敵との最終決戦へ。

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