第20話 神を名乗る者
作品に目を通していただき、ありがとうございます。
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当初の目標は話数=総合評価(10話=総合評価10pt)でしたので、なるべくそれに近づけるよう、支持していただければ作者冥利に尽きます。
気力が完全に失せたので、20話以降の投稿は不定期更新です。
一応これにて完結ということで。
ありえない話ですが3000万アクセス程度されたら金になるでしょうから、100万文字でも200万文字でも執筆し、創作に人生を賭すと約束します。
今は750PVなので、夢物語でしかないですが。
逆に言えばそれくらいの対価がなければ、執筆活動のモチベーションはありません。
「……ハァハァ、待ってろよ。助けにいくからな!」
一息つく暇もなく、トマスはエンバーの元へと駆け出した。
エンバーは今頃、どうしているのか。
彼女は勿論、呪刻人にも何事もなければいいが。
足を止めずに落としたパンの屑を辿り、鬱蒼と繁茂した木々に身を投じると、前方に何かが蠢いた。
動物かと思い目を凝らすと、白の服を着た女性らしき人物が目に映る。
素足でゆっくりと徘徊しており、不可解だ。
危険極まりない樹海で、しかもあのような軽装で、何をしているのだろうか。
少なくとも調査隊の人間ではないのは確かだろう。
何か事情でもあったのか。
見て見ぬ振りをするのは忍びなく
「そこの人、大丈夫ですか?」
「……」
声を掛けるも、その女は無言を貫いたままだ。
獣の叫びが方々から聞こえる森は、いつの間にか閑静な樹海へと様変わりしていた。
五月蝿いので耳に届いていないと判断したトマスは、接近しながら声を張り上げる。
すると、ようやく彼女は彼の方へ顔を向けた。
―――邪悪としか形容できない毒笑を満面に湛えて。
間近に寄ると服は所々紅の液体に染まり、物理法則に従って地面に滴っていた―――この女、普通ではない!
視線を上げて再度彼女と目が合うと、咀嚼していたものを吐き出す。
口から出てきたのは何かの肉だ。
毛も混じっていて動物を貪っていたのではと、想像が膨らんでしまう。
「何者だ、お前は」
「アハハッ、私は神だ!」
訊ねたトマスの問いを嘲笑うと、歯の代わりに生えた鋭い針を覗かせる。
明らかな敵意に、青年には戦う以外の選択肢は残されていなかった。
神名乗る人形 エクスプレッションレス
種族·無機物
アライメント 中立·中庸
血塗れの白地の衣服を着た、人間の不安、好奇心が生み出した、異世界の口承で語り継がれる、無表情、無口の狂気的な女性型人形。
生物の肉片を噛み、神を自称するなど、常軌を逸した行動を取るという。
歯の代わりに生えた鋭く尖った針を武器に、敵対する冒険者や軍人を次々と強襲。
関わらなければ無害だが、拘束すると激しく抵抗するようだ。
神には触れてはならない、という戒めなのだろうか?
「……うぅ、なんか苦手だなぁ。何考えてるのか、全然わからない所とかさ」
「リースちゃんの怖がる瞬間が見れるなんて、ラッキーだねぇ」
「ジェレミー衛生隊長は、いつもそんな感じだね。襲われたら助けてくださいよ〜」




