第15話 永遠の紅
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木々が枯死し、木々の密集した樹海に木漏れ日が差す。
スポットライトが当てられるような一筋の光が照らす先。
そこには無惨に身体を引き裂かれ、かつて人であったであろうものが天を仰いでいた。
おびただしい紅の液体が傷口から溢れ、地面を濡らす。
体格から察するに、ちょうど学校へ通う年齢だろうか。
ワンピースの着衣から女児であると判別できる。
年端もいかぬ少女が惨殺された姿に一行は瞼を閉じ、冥福を祈った。
鼻腔に充満する鉄の匂いと目を塞ぎたくなるような光景に
「……次から次に遺体ばかり。どうなってんだ、ここはよ。どこにもないのかよ、〝人の生死すら操れるような霊薬〟は」
セスが取り乱したように叫ぶと、しんと静まり返る。
だがトマス、エンバーの2人は冷静に
「道中の遺体とは同一犯ではなさそうだ。絞殺と斬殺だと手口が違いすぎる」
「同感だ、殺人鬼は少なくとも2人いるらしい。勿論両方とも、私がズタズタに切り刻んでやるがな」
状況からそう推測をする。
せめて埋葬だけでもしてやりたいが、あいにく道具もない。
どうにかして弔えないか。
三人が思考する―――瞬間、炎が突如として発生した。
「敵襲か?!」
「いや、物音はなかった。何かが火を起こしたんだろうよ。おい、男共。しゃんとしろよ」
エンバーが呼び掛け、周囲を見渡すも、特段人影らしき存在は確認できない。
ならば何故?
疑問を解決しようと脳を働かせると、またもや火が立ち込める。
刹那トマスは倒木の近くから生える、焼け爛れた手のようなものを一瞥した。
それから赤の魔法陣が現出したのを目撃し、疑いは確信へと変わる。
生物かも定かではないが、あれが炎の魔法を利用していた原因のようだ。
「まずはあれを倒さないといけないらしいな。エンバー、セス、いつも通りに頼むよ」
「しゃらくせぇな。どうせなら倒しがいのあるデケーのがよかったぜ」
前方にエンバーが立ち、後衛からセスが弓矢で援護。
中ほどに位置するトマスが、歌で味方の支援を行う隊列を組む。
戦いの幕は切って落とされた。
燃え盛る茸 バーニングハンド
種族·菌類
アライメント 中立·中庸
焼け爛れた手、とも呼称される紅蓮の茸。
粘膜に触れると、皮膚が焼けるような痛みが襲うので、取り扱いは要注意。
摂取した場合は頭痛、めまい、嘔吐、下痢、腹痛etcといった数え切れない症状に罹患。
無数のバーニングハンドが、地中から生えた姿はまさに地獄絵図。
近づくと火の魔術を用い、敵対する生物を排除しにかかる。
危険極まりない茸は数あれど、これほど害しかもたらさない種は他にないだろう。
「見た目といい、生態といい、結構面白いキノコだ〜。どうにかして薬にできないものか……」
「魔物ちゃんには食べないよう、言い聞かせないと」
「どれ、少し採取していこうかな……って、熱ッ!!!」




