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リーン君の大冒険?  作者: 白雲
第1章 幼児期
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宿に戻る途中に出店でお昼を買い、宿で食べた。

ドランは宿に着いたら伝言が預けられていてイワンとウォードを連れて出掛けたし、キャシーは食事の後お昼寝してしまった。まだ旅の疲れが残っているのだろう。


そんな訳で三人は、キャシーを起こさないように静かに会話しながら宿の女将が貸してくれたスキル事典と羊皮紙を見比べている。



「びっくりする数のスキルが出てきたねぇ」

「ああ。けどレベルが無えやつは使えなかったろ」

「ん〜なんだろね?頑張ったら使えるようになるのかなぁ」

「『背水の陣』とかどう頑張るんだよ」

「だよねぇ。てか俺のあの迷走してるスキル達はなんなんだろう。弓術は嬉しいけど、それも含めて全く思い当たらない物ばっかりだし」

ケネスが眉を下げて苦笑する。



「ただの、よそうだけど。例えば全部のスキルが10ポイントでレベル1になるとして、才能がある人は誰かが剣を使うのを見ただけで剣術に1ポイント、才能が無い人は長い間剣のれんしゅうをしてやっと剣術に1ポイント。多分キャシーのスキルで今3ポイントしか無いのも見えてるじょうたい。もしかしたら、ポイントを少し上乗せする効果もあるかも」


スキル事典に目を落としたまま口を開いたリーンを二人が唖然として見る。

急に静かになったのに気付き、顔を上げたら二人に凝視されててビクッとなった。あれ?と思いながら「ちがうかな?」と首を傾げると二人が再起動した。


「それだ!すごくしっくりくる」

「お前……たまに突然賢くなるよな」

「ただのボクのよそうだよ。あと、やっぱり『芽吹き』は載ってないね」

「ううん。多分すごく正解に近いと思う」

「俺もそう思う。しかしそうすっとお前の妹のスキル…」

「うん。多分りょうしゅ様に相談するんじゃないかな?」

リーンは心配そうな表情でキャシーが眠るベッドを見る。



ケネスがそうだったようにスキルとは人々の人生を決めてしまうような大事だ。もしリーンが言ったポイントの上乗せが無かったとしても、取得の可能性が高いスキルが分かるだけで充分有用と言える。


とは言え、子供達に出来る事は何も無い。ドランと領主様がいい感じに解決してくれるのを祈るだけだ。

なのでとりあえず、三人は自分達の羊皮紙に書かれたスキルをスキル事典で調べてみる事にした。




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並列思考:複数の物事を同時に考え、また行動する事が出来る。


防衛:エルフ種族特有のスキル。詳細不明。


結界:エルフ種族特有のスキル。魔力で不可視の防壁が作れる。強度・範囲はスキルレベルによる。


瞬間記憶:目に映った光景を文字なども含めて瞬間的に記憶し、任意のタイミングで思い出せる。


見極め:物事の本質を見極める力。情報の精査や思考を補助する。


理解:物事を理解する力。得た知識を組み立て整理する。


空間把握:自身が身を置く空間を立体的に認識する事が出来る。見える範囲や歩いた場所などはより精度が高い。建物など壁で囲われた一定の範囲限定。


調停:周囲で人同士の争い事が起きた場合強制的に話し合いをさせる。その際双方の望む物がスキル所持者に見える。自身が当事者の場合は発動しない。


付与:魔法的な効果を物質に付与する事が出来る。効果は付与した物質の劣化や破損に伴い解除される。


鑑定:視界に映った物質の価値や用途、生物の能力や状態を知る事が出来る。鑑定結果はスキルレベルの他、相手の隠蔽や擬態のスキルに影響される。


弱点特効:相手の弱点となる部位を攻撃した際攻撃ダメージ加算。


単騎:自身のみで相手の攻撃範囲に入った場合、相手の初撃にダメージ減算、自身の初撃にダメージ加算。


根性:怪我を負った状態や体力の無い状態でも動ける。


連撃:一定時間内に同じ相手に複数回攻撃をした場合、攻撃回数によって攻撃ダメージが加算されていく。


殲滅:十体以上の集団を相手取った場合に戦闘終了か一定距離を離れるまで自身の攻撃力アップ。


背水の陣:逃げ場の無い場所で敵に相対した場合に自身の体力・魔力回復速度大幅アップ、攻撃力・防御力・素早さ大幅アップ。効果時間はスキルレベル×5分。使用後一定時間再使用出来ない。


部隊編成:部隊を率いた際にその末端まで掌握出来る。


同調:テイムした魔物や呼び出した精霊と感覚を同調し、離れた場所で見聞きする事が出来る。同調する相手は自身の支配下にある存在に限る。効果時間はスキルレベル×2分。


使役:テイムした魔物や呼び出した精霊が自身の命令を聞きやすい。


支配:テイムした魔物や呼び出した精霊を自身の支配下に置く事が出来る。


暗躍:何かを成した際に自身の仕業であると露見しにくい。


扇動:周囲にいる大勢が自身の言葉に耳を傾ける。聞き入れられやすい。




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「多いー」

目がシパシパする。

「ほんっと。でも支配とかは変なのじゃなくて良かったぁ」

「お前でもそれ、召喚魔法使えなきゃ意味ねー」

「それだよねぇ。魔力操作かぁ……」

「セオも、雷の剣かっこいい」

「うんうん。ロマンだねぇ〜」

「あー…俺剣使った事ねえんだけど」

セオのロマンはケネスよりも遠いかもしれない。


「それとさぁリーンのスキルにしれっとエルフ種族特有とかって交じってるけど。これはやっぱアレなの?」

「エルフしゅぞくとくゆう」

「属性もやたら多いしな。エルフの孫とか曾孫とかなんじゃねえか?」

二人の視線がリーンに向く。

「う〜わ〜初めて見たぁ。ちょっとリーン握手して」

良く分からないがケネスと握手した。



そしてその後二人に希少で人嫌いで引きこもりのエルフという種族について教えてもらい、エルフは大体全部非力と聞いて遠い目をした。



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