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入学式前夜(1)

明日は学園の入学式だ。


王族として入学式の挨拶をしなければならない。

まぁ、そんなことは慣れているので問題ないのだが、攻略対象との接し方を考えておかなければいけない。


俺の前世の記憶は、どうも落ち着いて考えないと思い出せない。

前世を思い出したのが15歳と遅いせいか、前世の記憶は体の奥底に眠っている感じだ。




攻略対象一人目。

第二王子のレオンハルト・ディ・アガパンサス。


我が国アガパンサスの現王妃の一人息子だ。今は14歳なため、学園で会うことはない。

が、王宮では会う機会もあるだろうから一応考えておく。


顔良し、武道よし、知性よしの3拍子揃った王子様だ。今思ったが、乙女ゲームによくあるヒーローの名前だな。

だれ恋では、ヒロインの打算にまみれていない天真爛漫で可憐なところ、素直に嫉妬してくる可愛らしいところを慕っていた。


弟は、だれ恋では俺の処刑ルートなわけで要注意だが、弟自体にあまり害はない。


問題は、現王妃マリアンネ様の言動にかなり影響される傾向があるところだ。俺の処刑も毒殺されかけた上、第一王子であったものを生かしておいたら後々争いの種になると、マリアンネ様に諭されたからだ。


とりあえず、毒殺を企てず弟とも距離をとれば大丈夫だろう。昔も今も仲は良く、母親たちの目を盗んで庭園でよく遊んでいた。

今も可愛い弟であることに変わりはない。




攻略対象二人目。

公爵家嫡男のディオルゲル・ランチェスター。


俺の婚約者ディアナ嬢の実兄であり、俺の元側近候補だった。


知性派で、少ない言葉でも意図を汲み取って動いてくれる兄的存在。俺はかなり信頼していたが、第二王子の側近候補へといつのまにかなっていた。地味にショックを受けたが、乙女ゲームだったから、と思えば慰められる。


だれ恋では、妹のことを溺愛しているため、ヒロインになかなか靡かないが、領主代理のグループで一緒になり健気に支えてくれるところ、暖かく包んでくれるところに惹かれていった。


彼は、第一王子の妨害により領主代理業務で大きな失策を行ったが、ヒロインらの手助けもありなんとか持ち直させた。そして、卒業パーティーで自身の利益のために領民をないがしろにした俺の罪を暴露し、断罪した。


よし、妨害しないでおこう。

次っ!




攻略対象三人目。

騎士団長の伯爵家嫡男、サンジュリアン・ドッケンバード。


なんと驚きの元平民だ。

騎士団長は結婚しておらず、支援していた孤児院で見込みがかなりあったため引き取った。孤児院から引き取ったことは公にはされておらず、遠縁の親戚から引き取ったことにされている。


ヒロインとは同類意識がありすぐに仲良くなっていった。

ぶっきらぼうで粗野だが、心根が優しく太陽のように笑う明るい男だ。

曲がったことが嫌いであり、孤児であったにも関わらず擦れていない。むしろ、俺の方が擦れている…。



第一王子の元側近候補で、第一王子とは光と影のような対の存在であったが、現王妃に孤児であったことを公にすると暗に脅されて第二王子の側近候補になった。

汚いことが大嫌いな男だったため葛藤はあったが、父となった騎士団長に迷惑を掛けたくなかったため従った。


第一王子にそのことを言えず立ち去ったため、だれ恋ではギクシャクした関係となっていた。


裏切ったことへの罪悪感に捕らわれながらも、第一王子が悪行を繰り返していることを目にし、離れて良かったんだと思うようになる。

ただ、自分が側にいればこのようなことにはならなかったのではという思いもあったようで、断罪エンドは、王位継承権剥奪くらいだったと思う。


これは、あれだな。

悪行をしなければいいかな…?

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