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殿下について(ディアナ視点)

"殿下にナティアさんのことやドッケンバード伯爵子息とのことなどお聞きしたいことが山程あったのにお聞きできなかったわ。当たり障りのない魔法のことから話そうとしたのに軽く拒絶されてしまった……はぁ"


殿下と別れ、兄と二人きりで邸内を歩いているとふと思った。

兄は元とはいえ殿下の側近候補だったのだから相談してみようかしら。


「お兄様」


「なんだい、ディアナ」


「学園に入学してから2日間、殿下とは少し親しくなれた気がしたのです。その……好意も少しだけ持って頂いている、そんな気さえするほどなのですが……」

少し頬が熱くなるのを感じながら続けた。


「でも、ある一定のところで距離があるというか、いつも拒絶の微笑みを浮かべられてしまうような、そんな気がするのです」

最後の言葉を話す頃には頬の熱も冷めていた。


「あぁ。殿下に近付けるのは今のところアルストロメリア殿下と護衛騎士のエヴァンだけだな」

お兄様は寂しそうな顔をしながらそう答えた。


「俺にも昔は懐いてくれていたことがあった。だが、前王妃様がお隠れになった日からまるで誰も寄せ付けないかのように表情を隠すようになった。第一王子ということで昔からあまり感情を表に出す方ではなかったが……」

そこで兄は立ち止まり、私の方を向いた。


「殿下は………レイモンド殿下は……微笑みを浮かべながらも冷酷な物言い、指示をすることで有名だ。だが、上辺だけ優しく取り繕い冷酷さを隠している輩とは違う。あの方は、本当は心から優しいのだ。そして傷付きやすい。それを隠すために微笑んでいるのかもしれない」

お兄様は、向き合っているにも関わらず私の顔を見ず、殿下の顔を思い浮かべながら話されているような口ぶりだった。


「ディアナ、お前がレイモンド殿下を支えられるよう頑張りなさい。もしお前がなれず、他の方を殿下が求めたとしても、殿下のことを裏切ってはいけない。あの方は、どこか我が帝国ではない別の所へ行きたい素振りを見せることがある。レオンハルト殿下もいらっしゃるからと、我が帝国に未練の無い素振りをみせる。だが、本当は……我々が……我が国があのお方を必要としているのだ」


「お兄様。なぜそんなに殿下を思っていながら、側近候補を辞退されたのですか?」


「それは………いつかお前にも分かる時が来る」

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