模索
"……あいつ何を考えている"
赤兜は眉間にシワを寄せ、怪訝な表情を浮かべ呟いた。
"やはり禁忌の子供だ。得体が知れないという意味では死海鼠と同じだ"
青鷺は吐き捨てるように顔を背けた。
"あいつがいるから、すんげえ力が使えんだけど、はっきり言ってキモいよな〜"
ピンピン頭の青年はお手上げというポーズでこりゃ参ったという表情を浮かべた。
"それにめっちゃ臭いしね。あの子変人だね ♫"
白狐は相変わらず上機嫌で、屈み込んだまま、下で蠢く怪物の様子を伺っている。
怪物はあのまま息吹を体の中に取り込み、またウネウネと次の標的を探している。息吹の姿は影も形もなかった。
"思ってた以上に呆気ない終わりだったな"
しばらく沈黙が続いたが、ややあと赤兜は喋り目を細めた。
"父上の役に立つかも知れないと思ったが、所詮伯母さんの子供だ。無能であるのはおんなじだった"
青鷺はまるで結果が分かっていたかのように宣言した。
"でもさ、あの子どうしてここに戻って来たんだろう。またあいつらがなんか企んでたりして……"
黄盾の発言に空気は一瞬で凍りつき、皆黙った。最も危惧していた事態が起こっているのかもしれないと上二人は思ったのだ。
"あの子死んだのかなあ。もっと使いようがあったんじゃないの♫"
白狐は怪物眺めてる事に飽きたのか、ゴロンと寝転がり、目を瞑った。
"あまり厄介な事を言うな。我ら力がある限り、父上に危険が及ぶことは無いだろうが……やはり根絶やしにしておくべきだったか"
"だが父上の意思を無下にするわけにはいかまい"
上二人がゴチャゴチャ言ってる時であった。白狐はゴロン仰向けになり怪物の様子を伺った。
"あれえ、死海鼠の様子が変だよ"
3人は一斉に見下ろした。
死海鼠が動きを止まっている。
………霧が晴れ始めている。




