呆然
息吹の身体は石のように重く、立ち上がりたくても立ち上がれない。ジロジロ見てくる青年達の身体は半透明で、皆個性的な身なりをしていた。顔は全然似てないのに、なぜか息吹はこの四人は血が繋がってるんだろうとぼんやり思った。
"ねえねえ!俺たちを呼び出す事ができたのは父上以外でお前が初めてだよ♪"
一番可愛らしい顔をした、色白の小柄の青年は、はしゃいで息吹の目を覗き込んだ。容姿からは想像できない殺気が息吹を包み込み、汗がどっと吹き出した。
"あまり余計な事はを聞くなビャク坊。こちらの事を探られたらどうする"
先程とは正反対の落ち着いた、だが冷たい声が青年を諌めた。何処と無く風貌は尊治に似ているが、彼より目は細く、さっぱりした顔だ。
"ビャクの無邪気さが、意外な結果を生む時もあるけどねー。青兄は慎重すぎだよね"
のんびりした声は、何を考えてるかよくわからない。丸っこい顔と鼻、それに小さい黒い瞳は倭国の特徴をよく出している。ツンツン逆立った髪は、まだ少し幼さを残している。
"黄い坊お前もちょっとは見習え。ビャクと同じでは兄とは言えんぞ"
しっかりとした太い眉の下には、大きな黒い瞳がギラギラこっちを睨んでいる。息吹は心臓が縮み上がるのを感じて、目を瞑ろうとしたが身体はいうことをきかず、ただ四人の会話を聞いているしか出来なかった。
"こいつ……やはり目が青いな。叔母さんにも似ている気がする"
青鷺は腕組みをして考え込むように呟いた。
"やはり例の赤ん坊か?我らが寝てる間に、随分時は流れたようだな"
赤兜は青鷺と相談しているが、下二人は息吹の容姿で盛り上がっている
"俺異国の子供初めて見たー。俺も色白で周りにはやし立てられた方だけど、こいつのはなんか綿みたいな白さだなー。ちょっと気持ち悪い位じゃね?"
"俺は色黒いから、どんぐりの背え比べに位にしか思わないけど……目えが青いのはびっくりした。石みたいでキレイじゃん"
息吹を無視して四人は各々喋っている。呆然としていた息吹に赤兜が近づいて来てしゃがみこんだ。相変わらず目はギラギラしており、まるで息吹は蛇に睨まれたカエルの気分だった。赤兜はゆっくり口を開いた。
"我らを呼び出した理由はなんだ?……答えによってはお前を消す"




