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コウテカの庭  作者: 島 アヤメ
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祭り

パチパチ鳴り響く炎は村を照らし、帰ってきた男達を温かく迎えた。深夜これほど賑やかな日は、この村には全くなかった。


五十年に一度、奉納をかねた村の生誕祭は、普段黒尽くめの村人の心をわきたたせ、大いに興奮させた。


人々の表情を見て、息吹はどこかワクワクした心持ちであった。あのぶっきらぼうの七之助も、今夜ばかりはどことなく足どりが軽い感じだ。


「七之助、元気であったか」


細身だが、眼光鋭い額に傷のある男が、七之助に話しかけてきた。息吹はこの男が、ただ者でないことを瞬時に感じた。


「父上!」


息吹は七之助が、喜びを隠さず表に出したことに驚いた。細身の男は軽々と七之助を持ち上げ、肩に乗せると、大声で村人達に語りかけた。


「今宵は疲れを癒し、存分に楽しまれよ」


一同はわあと沸き立ち、太鼓やお囃子が始まった。老若男女問わず人々は大いに盛り上がり、酒の入った席では、おどける者もでてきて賑やかさが一層増した。



松明は赤々と燃え、村の空気は熱気に満ち、笑い声は夜空へ吸い込まれていく。



遠くない、森の奥で物騒な部隊が刻々と近づいている。



どうしてこの日だったのか。


過去は変えられず、運命の歯車は大きな闇へと突き進んでいくのであった。



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