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コウテカの庭  作者: 島 アヤメ
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彼の国

息吹達が、倭国の大きな混乱へと巻き込まれる中、遠く離れた彼の国では縁談の話が持ち上がろうとしていた。


それと言うのも彼の国ギルマで、大きな事件が起こったからだ。


あの赤髪の美しいエスペランサがジョニーと一緒に駆け落ちしてしまったのだ。国王ギアは激昂し、エスペランサの父親に死刑を宣告した。ギルマはこの自体に大きく揺れ、民の間では暫くこの話題が持ちきりであった。


この噂を聞きつければエスペランサも戻ってくるだろうと民は予測したが、エスペランサは戻って来なかった。国王ギアの怒りは収まる事はなく、事態はこのまま父親を死刑台へと連れて行くものと思われた。そんな時であった。アッカーテが自分の娘をギアの嫁にやると言い出したのだ。


民はこの話を格好のスキャンダルとばかりに興奮した。


城下町に住む女性たちは、自分の状況を棚に上げて面白可笑しく話題にしている。



あり得ないわあ。親子ほど年が離れているのよ。というか、エマ様っていくら美しいと言っても十代半ばの子供じゃない!アッカーテ様ってほんと、がっついてる。エマ様が可愛そうだわ。


でもギア陛下は兄君を差し置いて国王になられた方。本当の実力者よ!女であれば、幸せって考えたっていいんじゃない。私は喜んで嫁に行くわよ。



まあ、この事で、陛下の気をそらして死刑宣告も今議題になってるというし、アッカーテ様は王家の中の問題を解決して、恩を売ろうしてるっていう人もいるけどね。


兄君とギア陛下は随分歳も離れているし、張り合うといううよりも、弟として寵愛していたと聞くし……死刑宣告は本意ではなかったんじゃない。



女達は喋るのをやめる様子はなくペチャクチャと喋り続けている。



民にとって王家や貴族は憧れの対象でもあり、暇つぶしのネタでもあった。美しい容姿と、煌びやかな生活をもってしても、自由である彼女達より彼らは幸せと言えるのだろうか。


通り過ぎる男達は、自分がネタにされないようヒヤヒヤしながら側を通り過ぎていくのであった。






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