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コウテカの庭  作者: 島 アヤメ
121/139

悪態

はっと気付くと息吹は、神谷を後ろに乗せて馬に乗っている。


(……クロミ)


息吹はさっきの事は夢のように感じた。今は何処にもクロミの姿はない。


(夢だったの?)


(なんでやねん!)


突然耳元で、クロミの声が響いたかと思うと、小綺麗な姿になったクロミが逆さまになってこちらを睨みつけている。息吹はワタワタしながら、神谷の方をチラリと見た。相変わらず、神谷は心ここにあらずという感じであった。


(なんか格好変わってない?)


(ふふ、可愛いやろー?まあお姉ちゃんの意識やらちょっとした力を頂いてこうなりましたー)


(……勝手に頂かないでよ。気持ち悪いな)


息吹はむくれたが、クロミは上機嫌で頭上をグルグル旋回した。


(相棒には優しくしいやー。私はホント頼りになんでー)


クロミは自由に飛び回った後、息吹の横を飛び始めた。


(とりあえず、今何すればいいいの?)


(とりあえず城まで行ってこの人らの手伝いやな。……その後は百目数珠を頂きに行こう)


息吹はギョッとした。


(何言ってんのさ。そんなことできるわけないよ)


息吹は早くもクロミと同盟を組んだ事を後悔し始めた。そんな事無理に決まっている。数珠はあの戦争をおっぱじめようとしている尊治が所持してるのだ。すぐに殺されてしまうのはバカな息吹にも分かった。


(あんな、数珠無いお姉ちゃんなんてただの役立たず!というかいわくつきの疫病神もいいとこやで!)


息吹はムカっとしたが、言い返す言葉も思い浮かばずそのままクロミの話を聞いた。


(まあ、お姉ちゃんは尊治が怖いんやろうが、その前に瀬尾の目を欺いて、神谷に誤解されずここを去ることの方が大変やで)


息吹は吐き気を感じながら空を仰いだ。


(……やっぱり厄介なお化けに取り憑かれたんだ)



クロミは自由を満喫してる為か、息吹の悪態も今はどこ吹く風であるのだった。









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