22話 最凶な復讐方法
お久し振りですm(_ _)m
更新を再開します。
「じーじー、けー? 何だそれは?」
「G・G・K、即ちゴリラで逆ハー解散作戦です!!」
頭にクエスチョンマークを浮かべる王子様達をしり目に、私はドヤ顔で説明した。
「……自信満々の所悪いが、益々意味が分からない。ゴリラはどこから出てきたんだ……というか、何でゴリラなんだ……」
逆ハーはクレイが以前話していたからかろうじで分かるが、他は全く意味が分からない、と王子様は困惑した顔で続けた。
「ふー、どうやら王子様は伯爵家のギフトを詳しくは知らないみたいですね。仕方がないので、この作戦の素晴らしさを私がとくと説明してあげましょう!」
私はやれやれと溜め息を1つついて、懐からギフトを使って作った眼鏡を取り出して装着する。
視力は全く悪くないので度は入っていないが、気分的な問題だ。
ふふふ、この天才的な作戦に恐れおののくといいっ!
「伯爵家で代々発現されるギフトは”身体強化“です。文字通り、肉体を強化するギフトですね」
そう伯爵家に伝わるギフトは、脳筋ギフト。
ガチガチの戦闘系だ。
故に、元妹がキャハハウフフな逆ハーを築いているのを見た時には内心笑ったものだ。
だって、中身脳筋ゴリラが逆ハーって。
ぶりっこしているけど、元妹は私の非力な細腕を素手で簡単に握り潰せる程の力を持っている。
笑うなという方が無理だろう。
「ギフトは使えば使う程、副産物、いえ副作用ですかね、元の肉体も強化されるんです。あのクズ……もとい、キアージュ伯爵をご覧になった事はありますか? 筋肉ダルマゴリラ……もとい、普通に鍛えただけでは手に入らないような無駄に分厚い筋肉を持っていたでしょう? でも、同じギフトを持つ筈の元妹は?」
つまりはそういう事です、と私は薄く笑った。
「……チェルシー・キアージュは己のギフトを全然使用していないということか。だが、それが一体何だというのだ?」
ここまで言っても王子様は、この作戦の意図が分からないみたいだ。
横にいるショタは性格悪っとか失礼な事を呟いているのに。
どうやら、王子様は乙女心には疎いようだ。
「つ、ま、り、元妹は自分の外見を気にしてギフトを使うのを制限しているんです。ゴリラになりたくないから。それに、王子様も想像してみてください。筋肉ダルマゴリラ……もとい、キアージュ伯爵みたいな女と付き合えますか?」
あの脳筋ゴリラは3m近い巨体だった。
性別の差はあれど、元妹も2mは越える筈だ。
乙女としては死活問題だ。
私のギフトがもし身体強化だったなら、よっぽどの事がない限り絶対に使わない自信がある。
元妹も同じだろう。
相当手加減してしか使っていない筈だ。
「……俺は……俺はクレイであるのな「因みに、私はもし王子様がゴリラ化したら絶対に無理です」……そうか」
王子様が何か言いかけた気がしたが、私なりの意見を言っておいた。
人は見た目が8割だか9割だとかいうが、生理的に無理枠がある以上実質的には10割だ。
無類の筋肉好きならともかく、私は筋肉ダルマゴリラは一切受け付けない。
王子様位の細マッチョが丁度いいと思う。
それは恐らく元妹の逆ハーメンバーも同じだ。
元妹がゴリラ化したら、まず間違いなく逆ハーは解散する。
そしてそれは、男好きな糞ビッチには何よりも耐え難い事に違いない。
しかも骨格から変化するので、一度ゴリラ化したら元には戻れないというオマケ付き。
運動を制限して筋肉を落とそうと無駄なのだ。
まさしく、元妹にとっては最凶な嫌がらせ、もとい復讐方法だ。
「……殿下、ゴリラ化したらということは、現段階で恋愛対象に入っているという事です。元気を出して下さい」
「……そう言う事にした方が建設的、だな……」
私が1人頷いていると、何やら義兄のヴァイスが王子様を慰めるかのように肩に手を置いていた。
よく分からないが、これが良き主従というものだろうか。
「……ギフトを使わせる為に追い込むのは、次の実技試験がいいだろう。教師には俺から話をつけておく」
その方が後々問題にならないだろう、と王子様は心なしか気力を欠いた顔で私に言った。
流石王子様分かっていらっしゃる。
此方には高級馬肉クリームがある。
追い込む為に半殺しにしても、傷1つ残らないという優れ物だ。
そこに更に試験という大義名分が加われば、完全無敵だろう。
思う存分、ボコボコに出来る。
ふふふ、ふふふふふふっ、首を洗って待っていなさい!
※趣味嗜好は人それぞれ、主人公は父親の事が嫌いなので嫌悪感か強めです。
復習方法は少しコメディよりかな、と思いつつよくよく考えるとかなりえげつない感じです。
明日も更新します。




