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M・P・G ~私の庭に死角はない!~  作者: 皐月乃 彩月
四章 G・G・K作戦、始動するようです。
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21話 作戦名はG・G・K!

お久し振りです。

活動報告にもあげましたが、現在色々やる事があるため更新停滞気味です。

片付き次第、また更新していきますm(_ _)m

 

「あははっ! クレイちゃんやるねぇっ!! あの女の顔と言ったらっ、僕笑いを堪えるのに必死だったよ!!」


元妹による茶番劇に巻き込まれたせいで疲れ果てた私の前で、ぷくくと、ショタは腹に手をあてて笑う。

所謂、爆笑というやつだ。

イラっと来たので、頬をつねり上げてみた。

ショタだけに、頬はもちもちだった。


「いたたっ!? ちょっと、八つ当たりはやめてよねっ!!」


パシリと私の手を叩き落とすと、頬に手をあててショタは私から距離を取った。

ちょっと力を込めすぎたせいか、つねった所が若干赤くなっている。


まぁ、やり過ぎだろうが謝りはしないけど。


元妹に絡まれた時、ショタは私達からそっと離れて、茶番劇を笑いを堪えて見ていたのを私は知っている。

何より、私の気分は今最高に悪いのであった。


「おい、喧嘩はよせ。子供ではあるまいに」


「そこっ! 1人大人ぶってますけど、私婚約の事全く聞いてないんですけどっ!? 何勝手にひとと婚約してくれちゃってるんですかっ!! 王子の地位に居なかったら、滅茶苦茶ヤバい奴ですよ!」


仲裁に入ろうとした王子様に、私は厳しく追及した。

先程は空気を読んで流したが、聞きたい事は山程ある。

私は婚約なんて聞いてないし、そもそも了承した覚えもない。

顔と地位があるから世間的には許されるかもしれないが、どちらか一方でもなかったあっという間に犯罪臭の漂う変態だ。

やっている事は俺様浮気野郎なアドルフ殿下とどっこいどっこいだ。


……まぁ、それなりに仲良くはさせて貰っているので、ギリギリ王子様の方がまともということにしといてあげよう。


「う、……確かに無断でしたのは悪かったが、事は急を要したのだ。クレイの力は強力だから第1王子派に目をつけられる心配があったし、アドルフが馬鹿をやったせいで公爵令嬢と俺が婚約を結ぶはめになる可能性もあった。それはどうしても避けたかったのだ……王子という身分上、政略を抜きにした婚約など結べる筈がないと分かってはいるのだが……」


どうせなら好意を持った者を婚約者にしたかったのだと、王子様は珍しくしどろもどろに言った。

いつもは自信ありげにつり上がっている眉が、ヘニョリと下に下がっている。

視線も左右に揺れて、落ちつきがなく不安げだ。

まるで、私に拒絶されるのを恐れているかのように。


小さな子供でもあるまいし、少しも可愛いとは思わない……て、事もないかもしれない。

これが母性本能というやつか。


「まぁ……よくはないですけど。よくはないですが、元妹の悔しそうな顔を見れたので、とりあえずは置いておきましょう。本当に、よくはないですけど。今はあの元妹をどうするかです」


沢山文句を言ってやろうと思っていたが、滅多にお目にかかれないそんな姿を見せられれば、王子様への苛立ちは自然と静まった。

今は元妹の方が先だ。

あの女は絶対にまた仕掛けてくる。

ヤられる前にヤる必要がある。


婚約の事は……元妹を先に片付けてから考えるとしよう。


「えー、それほぼ了承みたいなものじゃない? 後になったら、絶対拒否できないでしょう」


「黙りなさい、ショタ! 保留と言ったら、保留ですっ」


懲りないショタがまたニヤニヤし始めたので、今度は強めよチョップを脳天に落とす。

身長が伸びなくなったらどうするんだとか、わめいているが私には聞こえない。

今までろくに伸びていなかったのだから、此れからもきっと伸びないだろう。

だから、別に少し叩いた所で問題はない。

寧ろ縮めばいい。


「チェルシー・キアージュ……私もあの女があれで殿下の事を諦めるとは思いません。殿下やクレイに危害を加える可能性も。何とかしなければ」


喚くショタを無視して、義兄であるヴァイスは真剣な顔でそう提案した。


「ふふふっ、必要ありません! 私もこのまま何もしないでいるつもりは、勿論ありませんから! これまで受けた仕打ちの分、やり返させて貰いますよ。えぇ、それはもう存分に!!」


色んな事をおいといて、私はあの女が大嫌いなのだ。

被害にあったのは前の私だが、元妹が幸せそうにキャハハウフフしているのは、映画で散々酷いことをした悪役が勝ってめでたしめでたしをしているようで気持ちが悪い。

殺したいわけではないしが、やられた分はやり返してやりたいのが人の心というものなのだ。


「やり返す? ……まさか、あの女と戦うつもりか?」


「安心してください。殺す気はありませんし、勝算もあります!」


心配御無用。

戦闘系の能力ではない私では王子様からしたら不安なのかもしれないが、相手が元妹であるのならば勝算は充分にある。

元父親が相手であったら分が悪かったであろうが、元妹が相手なら私に分があるはずだ。


だって、元妹は見るからに……


「その名もG・G・K作戦です!!」


大きな問題にはならず、かつ殺さずに。

最大限に元妹にダメージを与える方法を、私は思い付いたのだった。


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