50/53
50
どうして俺はムササビ族の家を訪ねてきてしまったんだと後悔した。鷹族の配偶者になってから、本当にサッパリ姿を見せなくなったから心配したんだ、とそのことをそのままムササビ族に言うと、どうなるかな?このソファーのようにズタズタにされるかな?・・・余計なことは言わないでおこう。ただ一言。
「心配した」
「そう、ありがとう。ところであなたの配偶者の鷹族は元気?」
「元気だよ」
「ンフフ、配偶者、配偶者ね。それは私だとおもってたのに。残念だわ」
「ごめん」
「どうして私を選んでくれなかったの?」
「・・・選んでほしかったのか?」
「当然よ!バカにしてるの⁉︎どうして私を選んでくれなかったのよ⁉︎」
力業に負けた。と言ったら、鷹族が危ない気がしたから、ひたすら謝った。せめて殺気が消えるまで。