40/53
40
俯く鷹族に俺は慌ててフォローする。
「本当にごめん。でもキミは美しいから、他の男は放っとかないよ」
あなたは放っとくのねと鷹族は少し怒った風に言った。これでも悩んだんだよと言ったら、俯いていた鷹族がバッと顔をあげた。鷹族は恋人になれなかったのは残念だけど、これからも友人としてなら、側にいてもいいわよねと言って、俺の腕に腕を絡ませた。鷹族には先程の悲痛の様子はなく、普通の状態に戻っていた。
「あなたが結婚するまであきらめないから」
鷹族は俺を極上の獲物を見るような目つきで言った。