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夜の暗殺者ギルドは昼間と違って、盛況だ。人の出入りが多い。暗殺者も依頼者も大概夜に来るから、なおさらなんだけど・・・。さて、俺の間違った依頼を受けたEランクはどこにいるんだ?夜担当から聞いた話だと、あの依頼書を渡したのは狼族だったらしい。
Eランクの狼族、Eランクの狼族はと。
んー、いないな。代わりにSSSランクの暗殺者が俺に声をかけてきた。
「お前がこの俺にEランクの仕事をさせた奴か?」
俺は覚悟を決めて、コクリと頷いた。すると、ありがとうとお礼を言われた。あの依頼の最中に生き別れた妹と再会できたらしい。SSSランクの暗殺者は本当にありがとなと、俺の背中をバンッと叩くと笑って去って行った。