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ここまで案内してくれたお礼にお駄賃でもあげようとしたが、少し目を離した隙に、姿を消していた。・・・さすが猫族、早い早い。
まあ、いいか。
今度会った時にでも、渡そう。覚えていたら。
さて、帰るか。
俺の家はとある安宿の2階に泊まっている。そこは食事は出ないが、いつも清潔さだけは保っている。食事はもっぱら外食で済ませているから、ムササビ族の手料理は本当に美味しかった。嫁にもらいたいくらいだ。
俺はふくれた腹をひと撫でして、安宿へと帰った。あとは、眠るだけだとベッドに目を向けた俺だったが、まだ眠れそうになさそうだった。
ベッドには妙な膨らみが1人分あった。