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休憩中。
俺はナイフを取り出して、ジッと見る。これは昨日酒場の柱に突き刺さったナイフだ。毒がぬってある。狙われたのは、俺か、ムササビ族か。
ウーンと唸りながら、手にあるナイフを弄ぶ。こうみえても俺はナイフの扱い方が上手い。手を切ることはない。
しばらくナイフをボールのように投げながら、遊んでいたら、同僚のダークエルフの女性に、もうやめてと言われた。危ないからと。そうだよな、危ないよなと思った俺はナイフをしまおうとしたら、ダークエルフが欲しがったのであげた。
渡すとき、一声かけておいた。毒がぬってあるから、気をつけろよと。
彼女は知ってるわよと小さく呟いた。