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再会、そして、赤い石と青い石。

 5年越しの花火大会の約束。今度こそ、彼と一緒に行きたい。私の胸には、どんどんどんどん、ドキドキとしたあたたかい気持ちが込み上げてきていた。



――よかった! あ……2人きりでも……いい? 


――うん! あ……じゃあ、浴衣着て行っても、いい?


――もちろん! 楽しみにしてる……



 それはまるで、恋人同士のような会話で、その後も、彼とは話が尽きることなく夜が開けるまでメッセージで話した。


 その日からやりとりは毎日になって、互いのアドレスも交換した。


 そしてやがて電話で話すようになって、昔よりオトナになった彼の声に、ドキドキとした心地良さを感じた――



 そして花火大会当日。


 5年経っても、やっぱり私はお昼頃からそわそわしてて、むしろ5年ぶりの再会に、嬉しさと不安が入り混じったような変な感覚で、だけど彼に早く会いたくて、何度も何度も時計の針を見つめては、こんな時に限ってちっとも進まない時計の針に、ちょっと文句を言ったりして。



――やっと迎えた約束の時間の少し前。


 先に待ち合わせ場所に着いたのは私だった。けれど彼もすぐに来て、5年ぶりの再会なのに人混みに紛れる彼の姿だけが、ふわっと光に包まれてるみたいに、不思議とすぐに彼を見つけられて、自然とお互い、温かな笑顔で手を振った。


「久しぶり」


「うん、久しぶり」


 そう言葉を交わしながら、不思議と心は穏やかで、心の中のもうひとりの私が、“やっと会えたね……” そう、言ってる気がした――


 

 

 土手に座って彼と一緒に夜空に咲く花を見あげる。まだオレンジ掛かった夜空に咲く花火。だけどどんどん藍色の空が迫りきて、空が藍色と光の星々に満たされた夜空となるまでは、あっという間だった。

 

 その日の星空は、すごくくっきりと星がまたたいていて、心地よい風が、花火の煙をぬぐい去り、今まで見たどんな花火よりも美しかった。


 隣にいる彼との距離は、他のカップルみたいに寄り添うほどの距離じゃない。けれど確かに隣に彼がいて、その距離が、すごくすごく、落ち着くような、愛おしさを感じた……



 花火の打ち上げが小休憩に入った頃、私は彼に声を掛けた。


「ねぇ、これ、覚えてる? 昔、天野くんがくれたキーホルダー。私ね、あの時私も天野くんの誕生石のキーホルダーを、渡そうと思ってたんだよ……」


「え? マジで? ……そか、そーだったんだ。なぁ、知ってる? 笹原の誕生石のルビーの石と、俺の誕生石のサファイアの石。本当はおんなじ石なんだって。コランダムって石の中で、赤いものがルビー、その他の色の石がサファイア。……もともと同じ石同志だから、笹原にこんなに惹かれて、そして一緒に居たら落ち着くのかな。……って……ちょっと、思った」


 私の言葉に、彼はそう言いながら、途中から言葉を足すように、照れ臭そうに笑った。


 いつの間にか再び上がりはじめた花火の赤い光に染まる彼の顔。

 そして、私も赤く顔を染めながら、彼に言った。


「ねぇ? 天野くんの誕生石のキーホルダー、今更だけど、受け取ってくれる……?」


 すると、彼も赤いやわらかな笑顔を浮かべながら、


「もちろん!」


 そう言った。



 “ここのペンションオリジナルの誕生石の入ったキーホルダーね、恋のお守りになるんだって。好きな人と互いに贈りあえたら、その恋は、ずーっと続くらしいよ”


 昔聞いた恋のジンクス。


 この恋が、どうか永遠に、続きますように――




(完)





 最後まで読んでくださりありがとうございました(^^)


 このお話の2人の名前、笹原 詩織ちゃんは七夕の笹と“織”姫様、天野 優星くんは天の川と彦“星”様をイメージして付けました。


 気付いてくれた人、いるかな?(笑)


 なんとか、七夕の日に連載開始、ナイトの日の夜7時に、第7話で完結することが出来ました。その辺りもこだわったこの作品。1人でも多くの方に、気に入っていただけると嬉しいなぁ。


 感想や評価、お気に入り登録などしていただけると嬉しいです(^^)


 よかったら、他の作品も読んでみてくださいね。なんて。


――みなさまの願いが叶いますように。



心花(このか)







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