2/11
プロローグ
俺の家系は変わっている。
小さい頃はありふれた明るい家庭だと思っていたが、他の友人達の家庭の状況を見たり、家に足を運ぶとどうやらそうでないことが分かってきた。
小学校に上がり、卒業式の日に親父に言われた言葉――。
今もこの言葉は常に俺の頭に残り、そしてその言葉に囚われるような生活を送ることになってしまった。
現在俺は高校2年生。
一般レベルの近場の高校に通い、一般レベルより少し暗めのクラスでの立ち位置を確保している。
家は学校から近い。
家に帰るのは出来れば避けたい事なのだが、帰らなければ衣食住が無い。
しかたなく家の玄関を開くと――――
そこには、いつもの親父の姿がある。
そうだ、物騒な槍を構え俺に向ける、異常な親父の姿が。