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friend
学校に到着し、僕は自分の席に座った。
昨日の夜からの読みかけの文庫本を広げる。
僕には友達がいない。
学校に着いても、僕は一人。
朝、校門をくぐるとき門番の先生に挨拶をする。
授業の発表をする。
それ以外に学校で僕が言葉を発する機会なんてまるでない。
話しかけてくる友達なんていない。
そんな日常は壊された。
「今日は転校生の紹介をします。今日からこの学校に通うことになった、小鳥遊 亞李紗さんです。」
彼女は先生の紹介を他所に、僕のところへ駆け寄ってきた。
「悠人?悠人だよね?久しぶり、元気だった?」
お前一体…誰だ…。