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七 寮の中での出来事


「ねぇ楓、今日は下校したらまたパパ活するの?たまには私と一緒に遊ばない?」同級生の阿部朋子が言った。

「ウインドウショッピングかゲーセンかカラオケかケーキ食べ放題かボーリング位しか選択肢無いでしょ、飽きたわ。そんなことよりパパ活一緒にしない?」

「止めとくわ、で、楓に訊きたいんだけどなんでそんなにお金稼ぎたいの?」

「機会損失になるから。あ、先生がきたわ、もう帰りの会ね」帰宅部の楓は帰りの会が終わると、さっさと教室を出て行った。

 最寄りの駅のトイレで制服から私服に着替え、スマホなど必要な物以外の荷物をコインロッカーに入れると街に繰り出した。

 するとすぐに飼い猫のブラックが目の前に飛び出してきた。捕まえてみると白い首輪にブラックと名前が書かれていた。電話番号も添えて書かれていた。白い首輪は楓が買ったものだった。

「どうしたのブラック!なんでこんなところにいるの!?」

「ねぇカエぽん、早くおうちに帰ってきてよぅ寂しいよぅ」ブラックが喋った。なお家では家族にカエぽんと呼ばれていた。楓は混乱した。

「ブラック!帰りたい、だけど帰れなくなってしまったの」楓は泣いた。


「東雲大佐!大丈夫ですか?」スミス少佐の声だ。楓は目を覚ますとセラフィア国兵士の寮のベッドの上にいた。寮は簡素なもので、デスクライトと机と椅子一式とベッドがあるだけだった。薄い壁はあるがドアもない。

「なんだか懐かしい夢。そう。私夢を見ていたんだわ」楓は涙を拭いた。

「あの、東雲大佐、聞いてもいいですか?懐かしい夢ってどういうことですか?」

「この世界に来る前の頃の夢だったの、早く帰りたい。タイムマシンはいつ完成するの?スミス少佐」

「タイムマシンの製造は難航しています。はっきり言って全く目途が立っていません」

「そう、残念だわ」楓は床を寂しそうに見つめた。


そこへセバスチャンがひょっこりやってきた。

「無事で何よりです、東雲大佐。ところで、その右足のくるぶしのガルマイン帝国製超高性能GPS取り外して回収しますね」丸くて薄いセバスチャンの、上面が開くと工具が現れた。セバスチャンは手際よくGPSを取り外し、解析した。

「これ初期不良品ですね。壊れていて使えない物です。道理でガルマイン帝国側から誰も東雲大佐を追って来ないわけですね。ところで東雲大佐、体調は良好ですか?なにか心情に変化があったりと気になることはありますか?少し覇気がないようですね」そうセバスチャンは言った。

「大丈夫よ」楓は言った。

 しかしそうは言ったが楓はセバスチャンによる洗脳が解け行く状態にあった。それを悟られないように楓は気を付けるようにしていたのだがセバスチャンの言葉に少し焦った。


              つづく

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