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三 基地の上


 「セバスチャン、私のセラフィア国軍での階級は夢で見た通り大佐でいいの?」楓は言った。

 「そうです、大佐です」セバスチャンは言った。

 「ねぇセバスチャン。この基地の外に出てみたい」楓は言った。

 「俺も実際にこの目で見てみたいな、夢の中でも見たんだけれど」江田が言った。

 「かしこまりました。江田大将、東雲大佐、私について来てください」二人はセバスチャンの後に続いた。

 「まず、知っているとは思いますがこのエレベータで地上に向かいます。これも知っているとは思いますが、地上には国民の暮らす都市があります。都市部不可侵協定をガルマイン帝国と結んでいる事もご存じだと思いますが、そのために、この基地はとても安全です」

 「で、他の基地も同じように都市部の下に作られているのよね」楓は言った。

 「ちなみに今もそうだとは断定はできないがガルマイン帝国も同じようにやってるんだよな」江田は言った。

 「そうですね。では、実際に都市部を見て回りましょう」セバスチャンがそう言うと、エレベータのドアが開いた。そこには自動車が用意されていた。ガラス張りで椅子が二つ用意された、その自動車に二人が乗り込み、楓に地面から持ち上げられたセバスチャンがその乗り物のある部分にカチッと音を立てて嵌り自動車とセバスチャンが合体すると、静かに動き出したのだった。

 都市部は戦時中にもかかわらず人や車で溢れかえっていたが、お年寄りの男女と子連れの女性ばかりだ。残りは軍人として働いているのだろう。そして、夢で二人が学習したように、都市部は高い壁で囲まれていた。壁の外と基地の間にはどのような兵器でも出入りできる大きなトンネルが幾つかあり、それには全て敵国が攻めてきたときに開閉する分厚い防爆蓋がついていたが、そこは壁の外に出なければならないのだが危険回避のため今回は観察することが出来なかった。

 「ちなみに国民は都市部の何処に住んでいるんだっけ、夢で見たけど印象が薄くて失念しちゃったわ」楓は言った。

 「一般国民は都市部の中心部に建てられた何棟かのタワーマンションに居住しています。週一回の配給で食事はまかなっています」セバスチャンは言った。

 「訊いてるうちに思い出してきたわ。そうだ、私の着ている様なバトルスーツを着ればいいのに」楓が言った。

 「そのバトルスーツ、高価なんですよ。国民にはもったいない。どの装備も高価ですが特に栄養を口を介さずに肉体に取り入れるための装備がとても高価なんです」


 そんな話をしているとき、楓と江田とセバスチャンの乗る車のスピーカーから、『ビコーン!ビコーン!セラフィア国の領海内にガルマイン帝国のY型戦艦が侵入!』と緊急放送が流れてきた。次に『直ちに地下基地へ退避してください』という音声が流れてきた。

 車の外を見るとそういえば国民たちはいつの間にか消えていた。タワーマンションに全員帰ったのだろう。車外で『国民は居住している場所へ全員避難!』という音声がどこからかまだ流れていた。

 楓たちは急いで一番近いエレベータを使って地下基地に帰還した。

                       つづく

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