十一 ヴァルグラント来襲
『リチャード、今忙しい?』楓はテレパシーでガルマイン帝国側のスパイのリチャードに話しかけた。
『大丈夫です。ところで明日夜八時丁度に私が操縦するヴァルグラント一機でそちらにまいります。楓の完全コピーの作り方と装置Qの設計図をこちらに持ってきてもらいます』
『私一人でいいの?』
『用済みのスミス少佐は最早邪魔でしかないので、私を含むガルマイン帝国側のスパイの誰かが適切な時期にセラフィア国へ行って毒を盛ります。ちなみに今はたまたまガルマイン帝国側のスパイは会議を開くために本国に全員帰還しています。東雲大佐はブツをこちらに確実に運ぶ事だけを考えてください。なお、そのブツはコピー防止のために対策が講じられているので、ブツのコピーは存在しません。ですから絶対に無くさないでください』
楓はバトルスーツの胸あたりにあるチャック付きポケットに忍ばせたメモリチップを何度も上から触って確認した。
『分かったわ。ところでヴァルグラントって二人乗りなの?』
『そうです。先ほども言いましたが私が操縦してセラフィア国に向かいます。帰りは東雲大佐に食べるマニュアルで操縦方法を習得してもらい、操縦してもらいます。では明日午後八時丁度に、こちらから東雲大佐の脳内の超高性能量子GPSに今から送信する四次元座標(百二十,二百二十三,十一,八)に来てください。場合によってはこの時間も含む四次元座標以外の座標に天気などの急変で変更になることも考えれるので、その時は臨機応変に行動してください』
楓は少しだけ緊張した。
翌日夜。天候は晴れ。楓はリチャードが調べ上げた、セラフィア国の軍事的抜け道を通り抜けてやってきたヴァルグラントに乗り込んだ。そこにはリチャードがいた。
『やぁ東雲大佐。忘れ物は無いかい?』
『無いわ』
『じゃ出発進行、いざガルマイン帝国へ!』リチャードがそう言うと、楓の操縦するヴァルグラントは静かに宙に浮かんだ。程なくして高速で移動するヴァルグラントはガルマイン帝国の領海上へとコマをすすめた。
つづく
最後までお読みいただき、ありがとうございました。評価等の方も宜しくお願いいたします。
また、二章三章がぐだぐだな 旅する猫の占い師、勢いで書いたNagasaki Daydream Rhapsody.、
R18のカトリーヌの胸も宜しくお願いします。




