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ええかんじに夢幻
感謝する意志。他人のささやかな成功を喜ぶ姿勢。熱意を絶やさない覚悟。すべてを受け入れる理解。
シュリンプ2世は親元で天寿を全うした。
夫妻は泣いていたが、幸福な生活を得ていたことは確かだ。
アファトは相変わらず事業に取り組んでいる。
バナナを食べすぎてアレルギーをもつことになるのはしばらく先のことだ。
おれは力を徐々に解いていった。
世界を放浪すると、常識が広がる感覚を得ることができる。
昨日訪れた場所が崩壊することもある。
10年前にみた都市が発展していることもある。
あのときみた生物がいなくなっていることもある。
ヒトも数が減っているという。
y9はあのまま最高権力者として邁進しているが、孫と暮らしているそうだ。
はじまりの街は、夢幻が晴れるように壊れては再生する。
記憶もおぼつかない。前世も思い出せない。
最後は人類みな等しく老いて、何者かであることも忘れるのだろう。
それでも、この世界はええかんじに続いていくことは確かだ。
ありがとう。




